◎脱獄犯たちは数カ月かけてトンネルを掘り進み、外壁の外に到達した。
イスラエルの裁判所は22日、昨年9月に発生した脱獄事件の実行犯であるパレスチナ人6人に禁固5年の有罪判決を言い渡した。
6人は同国北部のギルボア刑務所の独房から地面を掘り進み、外壁の外に出たのち、フェンスを破って逃走した。
イスラエル警察はヨルダン川西岸で大規模捜索を行い、数日後、6人全員を逮捕した。
このプリズンブレイクはニュース番組を賑わし、イスラエル政府の刑務所管理に対する批判を巻き起こした。
報道によると、脱獄犯たちは数カ月かけてトンネルを掘り進み、外壁の外に到達したという。脱獄時、当直の刑務官は居眠りしていたと伝えられている。
判事はこのプリズンブレイクが数日間にわたってイスラエル政府を麻痺させたこと、脱獄犯を逮捕するために要した費用、終身刑や重大な犯罪で有罪判決を受けた受刑者が逃亡したことによる公共の安全への害を考慮し、判決を下した。
禁固5年は脱獄犯の刑期に追加される。また、6人の脱獄を支援したとされる受刑者5人には禁固4年が言い渡された。
6人のうち5人は過激派組織「イスラム聖戦」の戦闘員で、そのうち4人は複数の犠牲者を出したテロに関与したとして終身刑、もう1人は2年の実刑判決を受けていた。
残り1人はヨルダン川西岸に拠点を置く原理主義組織「アルアクサ殉教者旅団」のザカリア・ズベイディ(Zakaria Zubeidi)元司令官で、多数の銃撃事件に関与した罪で2019年に逮捕され、裁判にかけられている最中だった。
パレスチナ人はイスラエルに拘束された囚人を英雄とみなしており、ソーシャルメディアでは多くの人が脱獄を祝い、囚人を支援するデモが行われた。