◎イスラエルとアルジャジーラの関係は2022年にヨルダン川西岸地区で女性記者のアクレ氏がイスラエル軍兵士に射殺された後、急速に悪化した。
パレスチナ・ガザ地区南部の病院(Getty Images)

イスラエル当局は5日、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの現地支局に閉鎖を命じ、機材を押収した。

エジプトと米国が仲介するガザ停戦交渉が難航する中、ネタニヤフ政権とアルジャジーラによる長年の確執がエスカレートした。

イスラエルとアルジャジーラの関係は2022年にヨルダン川西岸地区で女性記者のアクレ(Shireen Abu Aqleh)氏がイスラエル軍兵士に射殺された後、急速に悪化した。

イスラエルは長年、アルジャジーラがパレスチナ寄りの偏向報道を「垂れ流している」と非難してきた。

この閉鎖命令により、アルジャジーラの放送免許は剥奪となり、ウェブサイトもブロックされる予定だ。

イスラエルが国内で活動する外国の報道機関を閉鎖したのは初めて。

アルジャジーラは命令から数時間後、主要ケーブル・衛星プロバイダーから姿を消した。しかし、ウェブサイトと複数のオンラインストリーミングは閲覧できる。

アルジャジーラは昨年10月7日にイスラム組織ハマスが先制攻撃を仕掛けて以来、ガザ紛争を24時間体制で報道し続けてきた。

アルジャジーラはハマスや他のイスラム過激派幹部のコメントもそのまま報じることが多い。

ネタニヤフ氏は声明で、「アルジャジーラの記者はイスラエルの安全保障を害し、兵士への攻撃を扇動した」と主張した。「我が国からハマスを応援する組織を排除する時がきた...」

アルジャジーラも声明を発表。「その権利とジャーナリズム、そして国民の情報を得る権利を守るために、国際的な法的機関を通じて利用可能なあらゆる法的手段を追求する 」と誓った。

昨年12月、イスラエル軍の空爆により、ガザ南部で取材に当たっていたアルジャジーラのカメラマンが死亡。ガザ支局長が負傷した。

アルジャジーラは今年1月、イスラエル軍がガザ支局長の息子を殺害したと発表。空爆に巻き込まれたとみられる。

イスラエルはその後、ガザ支局長の息子が昨年10月7日の先制攻撃に参加していたと主張。ガザ地区のイスラム組織「イスラム聖戦」のメンバーだったと発表した。

今回の閉鎖命令がガザ地区におけるアルジャジーラの取材活動に影響を与えることはない。

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