◎イスラエルとヒズボラは昨年10月にガザ紛争が始まって以来、ほぼ毎日国境沿いで攻撃を交わしている。
米軍制服組トップのブラウン(Charles Q. Brown Jr.)統合参謀本部議長は23日、イスラエル国防軍(IDF)がレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラを攻撃するためにレバノン領内に侵攻すれば、イランを巻き込む戦争に発展する恐れがあると警告した。
ブラウン氏は訪問先のアフリカ・ボツワナで記者団の取材に応じ、「IDFがレバノンに侵攻すれば、イランを巻き込む、より広範な戦争に発展し、この地域に駐留する米軍を危険にさらすことになる」と語った。
またブラウン氏は「ヒズボラがIDFの攻撃に直面すれば、イランはより強力な支援を提供するだろう」と述べた。
さらに、「イランはガザ地区のハマスを超える規模の支援をヒズボラに提供できるし、IDFの動き次第ではそれが現実になると考えている」と強調した。
イスラエルとヒズボラは昨年10月にガザ紛争が始まって以来、ほぼ毎日国境沿いで攻撃を交わしている。
イスラエル政府はこの数週間、ヒズボラへの非難を強め、北部国境沿いでより激しい攻撃に出る可能性があると示唆してきた。
一部の政府高官はヒズボラが国境地帯から撤退しなければ、レバノン領内に攻め込むと脅している。
つい数日前、IDFはレバノンに対する「攻撃計画を検証、承認した」と述べていた。
米国、カタール、ヨルダン、エジプトなどの仲介国がこの紛争の外交的解決を模索している。
イスラエルのガラント(Yoav Gallant)国防相は今週、ワシントンD.C.を訪問し、オースティン(Lloyd Austin)国防長官や他の政府高官と会談する予定だ。
両国防相はヒズボラの問題についても協議するとみられる。
米政府は先週、レバノンの首都ベイルートに代表団を派遣し、緊張緩和に向け協議した。代表団は声明で、「イスラエル・レバノン国境は非常に深刻な状況であり、戦争拡大を防ぐための協議を進め、成果を出さなければならない」と述べていた。
一方、レバノン国営通信は23日、ヒズボラ高官の話しとして、「イランの民兵がイスラエルの攻撃に備え、数千人規模の戦闘員をレバノンに派遣すると提案した」と伝えている。
イランはヒズボラ、ハマス、イエメンのフーシ派などに武器、弾薬、要員を提供している。