イスラエル軍、ガザ市の集合住宅爆撃、75人死亡

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は7日午前の時点で5万4772人、負傷者は12万5834人となっている。
2024年10月18日/パレスチナ自治区、ガザ地区北部、イスラエル軍の空爆で全壊した建物(AP通信)

イスラエル軍が7日、パレスチナ・ガザ地区の広い範囲を空爆・砲撃し、過去24時間で少なくとも75人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、ガザ市の集合住宅が爆撃され、80人以上が瓦礫の下敷きになったとみられる。

アルジャジーラは保健当局者の話しとして、「救助隊とボランティアが倒壊した集合住宅で行方不明者を捜索中。これまでに数十人の遺体を収容した」と報じた。

イスラエル軍は声明で、イスラム組織ハマスによる23年10月7日のイスラエル領内への攻撃に参加したとされるムジャヒディン旅団の指導者を殺害したと発表した。

ハマスはテレグラムへの投稿でこれが事実であることを確認。7日の空爆を「民間人を標的とする虐殺」」と呼んだ。

ハマスの指導者ハリル・アルハヤ(Khalil al-Hayya)氏は5日、米国が提案した停戦案を拒否したつもりはなく、「ガザ戦争の終結を確実にする変更を求めている」と明らかにしていた。

イスラエル政府はトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持している。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案している。

アルジャジーラはガザ当局者の話しとして、「イスラエル軍は何の警告も出さずに7日の空爆を実施し、集合住宅などを狙い撃ちした」と報じた。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は7日午前の時点で5万4772人、負傷者は12万5834人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入はほぼ滞っている。

現地メディアによると、ガザ南部ラファで活動する米国主導のガザ人道財団の配給所近くで7日、少なくとも8人のパレスチナ人がイスラエル兵に射殺されたという。

この配給所では2週間足らずで少なくとも118人が殺害されている。

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