▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は21日午後の時点で5万3655人、負傷者は12万1950人となっている。
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イスラエル軍は21日、パレスチナ・ガザ地区全域への空爆や地上攻撃を継続し、過去24時間で少なくとも93人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエル軍の地上部隊は北部と中部で21日未明から砲撃を開始し、複数の建物が損壊。避難所も被害を受けたという。
ガザの保健当局は前日、イスラエル軍が3月初めに国境を封鎖し、外部からの食料搬入を断って以来、少なくとも326人が餓死または栄養失調に基づく疾患で死亡したと明らかにした。
イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は未曽有の大飢饉が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう何度も呼びかけてきた。
国連は20日、ガザ全域で1万4000人の乳児が48時間以内に死亡する可能性があると警告。イスラエルに国境封鎖を解除するよう求めた。
ガザで地上作戦が激化する中、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプを訪れた外国の外交官に向けて威嚇射撃を行い、国際社会から非難を浴びた。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は今月初めの閣議でガザ地区での軍事作戦を拡大する計画を承認。計画にはガザの征服および住民の強制移住が含まれている。
イスラエルはガザ全土を占領したうえで、市民をガザ南部に強制移住させ、民間警備会社とともに援助物資を配給・管理するとしている。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は21日午後の時点で5万3655人、負傷者は12万1950人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
国連のデュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は21日、「ガザにようやく入ってきた限られた人道支援は、戦争で疲弊したガザ住民のニーズを満たすには到底足りない」と述べ、イスラエルに対し、国境を完全開放し、ありったけの物資を投入するよう求めた。
アルジャジーラによると、イスラエル人入植者は21日、ヨルダン川西岸ナブルス難民キャンプの南東にある集落を襲撃し、パレスチナ人の財産を破壊したという。
アルジャジーラは目撃者の話しとして、「ユダヤ人入植者はパレスチナ人が所有する車に火をつけ、礼拝者がまだ中にいるにもかかわらず、モスクを燃やそうとした」と報じた。