イスラエル軍、ガザ全域で地上作戦継続、72人死亡

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は29日午後の時点で5万6550人、負傷者は13万4993人となっている。
2025年6月29日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部ハンユニスで行われた合同葬(ロイター通信)

イスラエル軍が29日、パレスチナ・ガザ地区北部や南部などでの地上作戦を継続し、過去24時間で少なくとも72人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは地元当局者の話しとして、「南部の食料配給所近くに集まった数十人がイスラエル兵に撃たれた」と伝えている。

米国とイスラエルが主導するガザ人道財団(GHF)は5月27日に南部の複数のエリアで配給所の運営を開始。それ以来、この配給所付近で580人以上のパレスチナ人が殺害され、5000人近くが負傷している。

アルジャジーラによると、イスラエル軍は北部とガザ市にあるイスラム組織ハマスの拠点とみられる建物を空爆したという。

この空爆により、北部とガザ市だけで47人が死亡、200人以上が負傷したと伝えられている。

南部ラファのGHFが運営する配給所ではイスラエル兵が食料を求める市民に向けて発砲し、少なくとも5人が死亡、大勢が負傷した。

イスラエルの地元紙ハーレツは先週、匿名のイスラエル兵の話しとして、「司令部から配給所に近づく群集を解散させるために発砲するよう命じられた」と報じた。

イスラエル政府はこの報道を一部否定。「テロリストの攻撃を受ける可能性があるときは威嚇射撃後、容疑者を無力化することがある」と主張した。

イスラエルとイランの戦争は米国の仲介で停戦にこぎつけたが、ガザ紛争が終結する見通しは立っておらず、イスラエルとハマスの停戦協議は完全に停滞している。

イスラエル側は5月末にトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めている。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は29日午後の時点で5万6550人、負傷者は13万4993人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

 

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