▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は30日午後の時点で5万350人、負傷者は11万4222人となっている。
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イスラエル軍が30日、パレスチナ・ガザ地区の広い範囲を空爆し、過去24時間で少なくとも64人が死亡した。保健当局が明らかにした。
多くの市民がラマダン(断食月)明けの祭りイード・アル・フィトルを静かに祝う中、イスラエル軍は北部を中心にイスラム組織ハマスの拠点を空爆したとみられる。
パレスチナ赤新月社(PRCS)は30日、ガザ南部ラファ付近でイスラエル軍の銃撃を受けた8人の赤十字職員、5人の一般市民、国連職員1人の遺体を収容したと明らかにした。
国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)はイスラエル政府を非難。「一度にこれだけの職員が殺害されたのは過去10数年で初めてである」と断じた。
イスラエル政府はコメントを出していない。
ハマスは週末、仲介国のエジプトとカタールが提示した新たな停戦計画を受け入れた。
これに対し、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は詳細には触れずに、「イスラエルはその対案を提出した」と主張した。
エジプトとカタールが示した案はトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した案に近いとされる。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は30日午後の時点で5万350人、負傷者は11万4222人となっている。
イスラエル軍が3月18日に空爆を再開して以来、1000人を超えるパスチナ人が殺害された。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
イスラエルは4週間ほど前にガザ国境を封鎖。停戦延長と人質の解放を求める米国の提案をハマスが受け入れない場合、「地獄を見せる」と警告している。
ガザ国境はそれ以来、封鎖されており、物資の搬入は完全に滞っている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はイスラエルによる「兵糧攻め」を国際法違反と非難。国際社会に対し、イスラエルに圧力をかけ、国境開放だけでなく、停戦交渉を進めるよう求めている。
イスラエルの治安部隊は30日、ヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプで墓参りをしていた市民に向けて催涙ガス弾を発射し、複数人を拘束した。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、治安部隊は空に向けて銃を撃ち、逃げ惑う人々に向けて催涙ガス弾を撃ち込んだ後、複数人を取り押さえ、どこかに連行したという。
イスラエル政府は停戦第1段階を4月20日まで延長するという米国の提案を支持。ハマスに人質を解放するよう圧力をかけてきた。
ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
双方は仲介国を通じていくつかの要求を提示している。
第2段階の交渉では▽イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退すること▽パレスチナ人受刑者を解放する代わりに残りの人質を解放すること▽すべての軍事作戦と敵対行為を永久に停止することなどが協議される予定であった。
ウィトコフ氏は先月、停戦第1段階を4月20日まで延長し、▽ハマスが最初の日に人質の半分を解放▽残りの人質は恒久的な停戦について合意に達したときに解放すると提案していた。