▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は29日午後の時点で5万277人、負傷者は11万4095人となっている。
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イスラエル軍が29日、パレスチナ・ガザ地区南部ラファで新たな地上作戦を開始した。
保健当局によると、イスラエル軍による過去24時間の空爆と攻撃により、少なくとも24人が死亡、100人以上が負傷したという。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは目撃者の話しとして、「イスラエル軍の戦車部隊がラファ近郊の住宅地に迫っている」と報じた。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は29日、ガザ地区のイスラム組織ハマスが仲介国のエジプトとカタールが提示した新たな停戦計画を受け入れたと明らかにした。
またネタニヤフ氏は詳細に言及せず、「イスラエルはその対案を提出した」と述べた。
ロイター通信によると、エジプトとカタールが示した案はトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した案に近いという。
イスラエル政府はハマスがウィトコフ氏の人質解放案を拒否したと非難、攻撃を正当化している。
一方、ハマス幹部はイスラエル軍が地上侵攻を再開したにもかかわらず、「署名済みの停戦合意が存在する以上、新たな合意は必要ない」と主張してきた。
イスラエルは4週間ほど前にガザ国境を封鎖。停戦延長と人質の解放を求める米国の提案をハマスが受け入れない場合、「地獄を見せる」と警告している。
ガザ国境はそれ以来、封鎖されており、物資の搬入は完全に滞っている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はイスラエルによる「兵糧攻め」を国際法違反と非難。国際社会に対し、イスラエルに圧力をかけ、国境開放だけでなく、停戦交渉を進めるよう求めている。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は29日午後の時点で5万277人、負傷者は11万4095人となっている。
イスラエル軍が3月18日に空爆を再開して以来、900人を超えるパスチナ人が殺害された。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
イスラエル政府は停戦第1段階を4月20日まで延長するという米国の提案を支持。ハマスに人質を解放するよう圧力をかけてきた。
ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
双方は仲介国を通じていくつかの要求を提示している。
第2段階の交渉では▽イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退すること▽パレスチナ人受刑者を解放する代わりに残りの人質を解放すること▽すべての軍事作戦と敵対行為を永久に停止することなどが協議される予定であった。
ウィトコフ氏は先月、停戦第1段階を4月20日まで延長し、▽ハマスが最初の日に人質の半分を解放▽残りの人質は恒久的な停戦について合意に達したときに解放すると提案していた。