◎ネタニヤフ首相は連邦議会にリベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を付与したいと考えている。
2023年2月13日/イスラエル、エルサレムの国会近く、政府の司法制度改革に反対するデモ(Ohad Zwigenberg/AP通信)

エルサレムで13日、政府の司法制度改革に反対する集会が開かれ、数千人がネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に抗議した。

国会前に集まった人々はネタニヤフ政権が司法制度を捻じ曲げ、弱体化させようとしていると非難し、計画案を撤回するよう呼び掛けた。

ネタニヤフ氏は汚職容疑で公判中にもかかわらず、司法制度の見直しを政策の柱に掲げており、リベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を連邦議会に付与したいと考えている。改革案が承認されれば、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆すことができるようになる。

この計画は大規模な抗議行動を引き起こし、ユダヤ教徒を含むイスラエル社会の幅広い層から非難を浴び、米国のバイデン(Joe Biden)大統領も深刻な懸念を表明した。

しかし、強硬派は選挙で選ばれた議員より司法の判決が優先されることに不満を示し、ある極右議員は「裁判官は選挙で選ばれたわけでもない調子に乗り過ぎだ」と主張。改革案を速やかに成立させるよう圧力をかけている。

一部の専門家は「改革を断行すれば、ネタニヤフ氏は汚職裁判で有罪判決を言い渡されても、議会で覆すことができる」と指摘している。

地元メディアによると、13日のデモはエルサレムで行われたものとしては、ここ数年で最大規模だったという。

参加者は電車でエルサレムに移動し、駅構内から国旗を掲げて行進した。

集会には最大野党イェシュアティドのラピド(Yair Lapid)前首相らも参加した。

ラピド氏は国会を指さし、「彼らは有権者の声が高まっていることに恐怖を感じている」と語った。「彼らは聞こえないフリをしていますが、聞こえてきます。彼らは恐れています!」

主催者は10万人以上が参加したと発表。警察は1万人弱と見積もっている。その中にはアラブ人、女性の権利拡充を訴える団体、LGBTQ+(性的少数者)活動家も含まれていた。

群衆はクラクションを鳴らし「民主主義」と唱え、ネタニヤフ氏に国民の声を聞くよう呼びかけた。警察によると、集会は何事もなく終了し、逮捕者も出なかったという。

パレスチナ自治政府の支持者とみられる団体は「恥を知れ」「独裁国家イスラエル」などと書かれた横断幕を掲げて行進した。

首都テルアビブを含む複数の都市でも集会が開かれ、数千人が参加した。

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