イスラエル・ハイファの製油所停止、イランの攻撃受け

イスラエル軍は16日、首都テヘランを含むイランの主要都市を空爆。各地で爆発が確認されている。
2025年6月15日/イスラエル、北部ハイファ、イランのミサイル攻撃を受けた石油関連施設(ロイター通信)

イスラエル北部ハイファの製油所などを運営するBAZANは16日、イランのミサイル攻撃で市内の発電所が深刻な被害を受けたため、全ての製油施設を停止したと明らかにした。

またBAZANはイランの攻撃により、同社の従業員3人が死亡したと報告した。

イスラエル軍は16日、首都テヘランを含むイランの主要都市を空爆。各地で爆発が確認されている。

イラン政府は国営イラン通信(IRNA)の事務所が標的になったことなどを受け、イスラエルに対して「史上最大かつ最も激しいミサイル攻撃の準備を進めている」と発表した。

イラン政府によると、15日時点で、イスラエルの攻撃により224人が死亡、1257人が負傷したという。死傷者の9割以上が一般市民と報告している。

イスラエル軍は12日夜、イランの核施設と軍事施設に対する攻撃を開始。戦闘機で100か所以上を攻撃した。

イランはこれに報復。テルアビブやエルサレムなどに約100発のミサイルを発射した。

イスラエル軍は先制攻撃に踏み切った理由について、▽イランが核兵器保有を推進していること▽数千発の弾道ミサイルを保持していること▽中東各地の代理勢力への武器と資金の提供を挙げ、これらの脅威を取り除くことと説明している。

IRNAは国軍のバゲリ(Mohammad Bagheri)参謀総長や革命防衛隊(IRGC)のサラミ(Hossein Salami)司令官ら複数の高官ほか、元原子力庁長官や著名な核科学者6人が死亡したと報じている。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は16日、イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師を殺害すれば紛争は終結すると見方を示した。

一方、カナダのG7サミットに出席したトランプ(Donald Trump)米大統領は16日、イラン在住の米国民に避難を勧告した。

またトランプ氏は「イランの核保有を認めない」と強調し、イランに対し、核協議に復帰するよう促した。

イスラエル当局によると、イランによる攻撃の死者は16日午前の時点で23人。数百人が負傷している。

ホワイトハウスのレビット(Karoline Leavitt)報道官は16日、トランプ氏がカナダでの夕食会後、中東情勢などについて協議するため、帰国すると明らかにした。

トランプ氏は記者団に対し、「非常に重要な問題のため、ホワイトハウスに戻る」と語ったが、詳細は明らかにしなかった。

これにより、ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領とメキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領との首脳会談がキャンセルされた。

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