イスラエル軍、数週間後にガザ地区総攻撃か、交渉の余地も=報道
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は11日午前の時点で6万1499人、負傷者は15万3301人となっている。
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イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への「総攻撃」は数週間後に開始される可能性がある。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが11日に報じた。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はガザ全面制圧に向け、攻撃を早期に開始し、イスラム組織ハマスを根絶やしにし、戦争を終わらせると主張している。
ロイター通信は政府筋の話しとして、「影響を受ける地域からの民間人の避難は10月初旬までに完了する可能性があり、停戦を追求する時間的余裕が生まれる」と報じた。
イスラエルとハマスの停戦協議は先月決裂。アルジャジーラによると、カタールと米国は一時停戦に向けた協議を水面下で続けているという。ハマスはこの報道を否定も肯定もしていない。
ネタニヤフ氏は10日の記者会見で、ガザ征服計画の概要を説明。「ハマスを一掃し、市民に人道支援を提供する」と主張した。
またネタニヤフ氏は「まず民間人を戦闘地域から退避させた後、ガザ市への地上侵攻を開始する」と述べた。
ネタニヤフ氏はガザ市をハマスが残す最後の2つの拠点の1つと位置付け、その敗北が戦争終結をもたらすと強調した。
しかし、反イスラムを推進する極右スモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相はこの計画を「ハマスを交渉のテーブルに戻すための圧力手段」と呼び、ハマスを「消し去る」ためのものではないと主張。ネタニヤフ氏に計画を見直すよう促した。
23年10月にガザ紛争が始まって以来、飢餓や栄養失調で死亡したパレスチナ人の総数は220人を超えた。
イスラエル政府は8日、ガザ全土を制圧する計画を閣議決定した。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は11日午前の時点で6万1499人、負傷者は15万3301人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。