◎イスラエル軍は1月2日の、「ハマスの軍事基地とロケット弾の製造施設を空爆した」と述べた。
1月2日、イスラエル軍はイスラム過激派組織ハマスの支配地域であるパレスチナのガザ地区に対する空爆を開始したと明らかにした。
ガザ地区の南部ハーン・ユーニスで撮影された映像には、イスラエル軍のものと思われる戦闘機が映っていた。死傷者の有無は明らかにされていない。
イスラエル軍は声明の中で、「ハマスの軍事基地とロケット弾の製造施設を空爆した」と述べた。
地元メディアによると、今回の空爆は1月1日にガザ地区からイスラエルに向かって発射されたロケット弾の報復措置だという。このロケットがイスラエルを狙ったものかどうかは分かっていない。報道によると、今のところ死傷者は確認されていないという。
イスラエルとハマスは昨年5月の紛争で激しく衝突した。国連の統計によると、ガザ地区では子供66人と女性41人を含む260人が死亡したという。ハマスは戦闘員80人の死亡を認めたが、イスラエル軍は80人以上殺害したと主張している。イスラエルでは子供2人を含む民間人12人と兵士1人が死亡した。
11日間続いた紛争はエジプトなどの仲介で何とか停戦にこぎつけたが、協定は脆弱で、締結後も小規模な衝突が続いた。
ハマスはイスラエルの刑務所で4カ月以上ハンガーストライキを続けているパレスチナ人受刑者の解放を求めており、応じなければエルサレムを含む主要都市に攻撃を仕掛ける可能性があると警告している。
ハマスは12月29日、国境フェンスの近くでイスラエルの民間人を銃撃し、軽傷を負わせた。これにイスラエル軍は猛反発し、ハマスの複数の拠点を爆破した。報道によると、ガザ地区の燃料貯蔵施設で発生した火災は半日以上燃え続けたという。
イスラエルとハマスは2007年の選挙でハマスがガザ地区の支配を確立して以来、4つの戦争と数百の小競り合いを演じてきた。5月の紛争は11日間続き、人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチを含む世界の人権団体と国連は戦闘に関与したすべての当事者を戦争犯罪で厳しく非難した。
イスラエル・ガザ紛争のタイムライン(2021年)
・4月13日:イスラエル警察とパレスチナ人が東エルサレムで衝突。パレスチナ人はイスラム教の聖なる月の最初の夜に東エルサレムのアル=アクサー・モスクで祈りを捧げる予定だった。
・4月15日:ハマスがイスラエルに向けてロケットを発射。
・4月19日:イスラエルの港湾都市ヤッファでアラブ人とユダヤ人が衝突。
・4月20日:ユダヤ人のギャングが、TikTokで共有された正統派ユダヤ人に対する偏見に腹を立て、アラブ人への攻撃を呼びかける。その後、ギャングとアラブ人は小競り合いを演じた。
・4月23日:保守的な数百人のユダヤ人が「アラブ人に死を」と叫びながらダマスカス門に向けて行進を行う。アラブ人は激しく反発し、衝突に発展した。
・4月24日:ガザ地区からロケットが発射される。イスラエル軍は空爆で応戦した。
・5月2日:ハマスがアラブ人に「人間の盾」を形成するよう呼びかける。
・5月4日:ガザ地区のイスラム過激派組織がイスラエルで焼夷弾攻撃を決行。各地で火災が発生した。
・5月7日:ヨルダン川西岸でイスラエル警察とパレスチナ人が衝突。パレスチナ人2人が射殺され、1人が負傷した。
・5月8日:東エルサレム周辺でイスラエル警察とアラブ人が衝突。
・5月10日:アラブ人がイスラエル警察に対する投石攻撃を本格化させる。この日の衝突でアラブ人300人以上が負傷した。
・5月10日:ハマスがイスラエル南部へのロケット攻撃を開始。ネタニヤフ首相は声明で、「敵はレッドラインを越えた」と述べ、空爆開始を宣言した。
・5月21日:停戦協定発効。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区(東エルサレム含む)、およびゴラン高原を占領したが、国際社会はこれを認めていない。
聖地エルサレムを奪われた数百万人のパレスチナ人はガザ地区とヨルダン川西岸地区に押し込められ、みじめな生活を送っている。