▽国連によると、イスラエルが3月18日に空爆を再開して以来、少なくとも855人のパレスチナ人が殺害され、1869人が負傷した。
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国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は28日、イスラエルが国際法を無視してパレスチナ・ガザ地区の住民を強制避難させていると非難した。
OHCHRの報道官はジュネーブの記者団に対し、「イスラエル軍は3月18日にハマスとの戦闘を再開し、停戦延長の条件をめぐって対立する中、ガザの広範囲に10回強制避難命令を出している」と指摘した。
また報道官は「住民を空爆や砲撃によって強制的に移動させる行為は国際人道法の要件を満たしていない」と非難し、改めて恒久的な停戦とガザの国境封鎖を解除するよう呼びかけた。
さらに、イスラム組織ハマスに対しても、「住民を人間の盾として利用し、人質の解放を拒否することで戦争を引き延ばしている」と非難した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)も27日、ガザ地区に3週間以上物資を搬入できておらず、飢餓のリスクが劇的に高まっていると警告。イスラエルに対し、国境封鎖を解除し、食料、飲料水、医薬品の搬入を認めるよう求めていた。
イスラエル政府はガザのイスラム組織ハマスがトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した人質解放案を拒否したと非難、攻撃を正当化している。
一方、ハマスの幹部はイスラエル軍が地上侵攻を再開したにもかかわらず、「停戦交渉の扉は閉ざされていない」と述べ、「署名済みの停戦合意が存在する以上、新たな合意は必要ない」と主張している。
イスラエルは3週間ほど前にガザ国境を封鎖。停戦延長と人質の解放を求める米国の提案をハマスが受け入れない場合、「地獄を見せる」と警告してきた。
ガザ国境はそれ以来、封鎖されており、物資の搬入は完全に滞っている。
UNRWAはイスラエルによる兵糧攻めを国際法違反と非難。国際社会に対し、イスラエルに圧力をかけ、国境開放だけでなく、停戦交渉を進めるよう求めている。
国連によると、イスラエルはガザ地区北部の半分以上に避難命令を出している。一方、ガザ南部ラファから新たに避難し、海岸沿いのアルマワシに行くことを余儀なくされた人々は、そこでの安全を保証されていないという。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は28日午後の時点で5万208人、負傷者は11万3910人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
国連によると、イスラエルが3月18日に空爆を再開して以来、少なくとも855人のパレスチナ人が殺害され、1869人が負傷した。