◎イスラエル政府はエジプトと国境を接するラファで本格的な地上作戦を展開する予定だ。
イスラエルとガザ地区のイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから、7日で半年となった。
イスラエル国防軍(IDF)は同日、南部の主要都市ハンユニスに駐留する部隊の数を減らし、1旅団だけ残すと発表した。
IDF報道官は声明で、「これはハマスを撃滅する取り組みのひとつであり、かなりの兵力をガザに残す」と強調した。
この撤退は戦術的なものと解釈されており、戦争が終結に近づいていることの表れかもしれない。
イスラエル政府は7日、エジプトの首都カイロに代表団を派遣したと明らかにした。エジプト、カタール、米国による停戦交渉が前進するかどうかは不透明な情勢である。
ハマスは恒久的な停戦とガザ地区からのイスラエル軍の完全撤退を求めている。
ガザの保健当局は7日、イスラエル軍による直近24時間の攻撃で少なくとも38人が死亡したと報告。累計死者数は3万3175人に達した。犠牲者は3分の2は子供と女性とされる。
IDFもハマスの攻撃により損害を被り続けている。それによると、昨年10月7日以来、600人以上の兵士が死亡したという。
ハマス側の人質約130人のうち、少なくとも34人は死亡したと推定されている。
ガザは世界最大級の人道危機に見舞われており、国際NGOオックスファム・インターナショナルによると、北部にとどまる市民約30万人が今年1月以来、1日平均245キロカロリー以下で生活しているという。
IDF報道官は声明の中で、「ハンユニスでの任務が完了したため、一部部隊を撤退させる」と明らかにした。
ハンユニスは数カ月にわたるIDFの空爆や砲撃により廃墟と化し、人が生活できるような状態ではない。
IDF報道官はこう強調した。「戦争は終わっていません。戦争が終わるのは、人質が帰還し、ハマスがいなくなったときです」
「ハマスは弱体化していますが、まだやるべきことは残っています。ラファにあるハマスの拠点をつぶすことが重要です。それを完全に破壊する必要がある...」
一方、米ホワイトハウスのカービー(John Kirby)戦略広報調整官は7日、ABCニュースのインタビューでハンユニスからの撤退に言及。「これは新たな作戦を示唆するものではないと認識している」と語った。
またカービー氏は「イスラエル軍によるラファへの総攻撃に反対するという政府の方針に変わりはない」と強調した。
しかし、イスラエルのガラント(Yoav Gallant)国防相は同日、「別の部隊がガザ南部における任務の準備のため、基地を出発した」と明らかにした。
またガラント氏はハンユニスから撤退した部隊を称賛。この攻撃を受けたハマスが機能不全に陥っているという見方を示した。
イスラエル政府はエジプトと国境を接するラファで本格的な地上作戦を展開する予定だ。
停戦を求める国際的な圧力は高まっているものの、イスラエルは国連安保理の停戦決議を無視するなど、ハマスを殲滅するまで戦い続けると誓っている。
米政府は今週初め、年間40億ドル近くにのぼるイスラエルへの軍事支援を継続するかどうかはガザの民間人を保護し、人道支援を拡大できるかどうかにかかっていると警告した。