▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は9日午後の時点で4万8453人、負傷者は11万1860人となっている。
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イスラエル政府は9日、パレスチナ・ガザ地区への電力供給を停止すると発表した。
ガザ地区のイスラム組織ハマスはこの決定を非難。ガザの唯一の海水淡水化プラントが停止すれば、市民への水供給が困難になると警告した。
イスラエル政府はガザ停戦と捕虜交換協議を進めるため、10日にカタール・ドーハに代表団を派遣する予定だ。米国、エジプト、そしてハマスの代表団も現地入りする。
ハマスはイスラエルによる電力遮断を「容認できない脅迫行為」と非難。これをイスラエルの「飢餓政策の一部」と呼んだ。
イスラエル政府はガザ地区へのすべての物資搬入を停止し、停戦延長と人質の解放を求める米国の提案をハマスが受け入れない場合、「地獄を見ることになる」と警告している。
ガザ国境は今週初めに封鎖された。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
一方、トランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使は9日、イスラエルの捕虜解放に関するハマスとの直接協議は非常に有益であり、「数週間以内にガザに関して何かがまとまる可能性がある」という見方を示した。
停戦第1段階は3月1日に期限切れとなり、第2段階に移行したように見えた。
しかし、イスラエル政府は停戦第1段階を4月20日まで延長するという米国の一方的な提案を支持すると表明。ハマスに人質を解放するよう圧力をかけた。
ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
双方は以前、仲介者を通じて要求を提示している。
第2段階の交渉では▽イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退すること▽パレスチナ人受刑者を解放する代わりに残りの人質を解放すること▽すべての軍事作戦と敵対行為を永久に停止することなどが協議される予定だ。
ウィトコフ氏は以前、▽ハマスが最初の日に人質の半分を解放▽残りの人質は恒久的な停戦について合意に達したときに解放すると提案していた。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は9日午後の時点で4万8453人、負傷者は11万1860人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
イスラエルの非営利組織ギシャ(Gisha)は9日、イスラエルによる電力遮断を非難し、中部デイル・アルバラにある海水淡水化プラントの操業に影響を及ぼすと警告した。
ギシャの広報担当はAP通信の取材に対し、「このプラントはこれまで1日あたり1万8000立方メートルの水を供給してきたが、今後は発電機に頼らざるを得なくなり、1日あたり約2500立方メートルしか処理できなくなる」と語った。
またギシャは「イスラエルがガザへの燃料持ち込みを制限したことで、淡水化した水を配給するトラックにも影響が出るため、人々は水を手に入れることがさらに難しくなる」と強調した。
ギシャはX(旧ツイッター)への投稿で、イスラエルの決定を戦争犯罪と非難した。
<停戦協定の概要>
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。
▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。
▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。
▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。
▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。
▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。
▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。
▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。
▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。
▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。