▽アラブ連盟の首脳たちは530億ドル(約7兆9400億円)をかけてガザ地区を復興し、パレスチナ人の移住を回避するエジプトの計画を採択した。
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イスラエル政府は4日、アラブ連盟(Arab League)首脳会議が打ち出したガザ復興計画を批判し、イスラム組織ハマスが行動を起こすまでガザ地区封鎖を続けると主張した。
アラブ連盟が声明を出した直後、イスラエル外務省はこの復興計画を「現実に対処できていない」と一蹴した。
同省は「数千人の死傷者と数百人の拉致監禁をもたらしたハマスの先制テロ攻撃に言及しておらず、話にならない」と非難した。
ハマス陣営はアラブ連盟の復興計画を称賛。「サミットはパレスチナの大義に対するアラブとイスラムの支援を強調するものだ」と歓迎した。
またハマスは連盟に対し、イスラエルに最大限の圧力をかけ、停戦合意を守らせるよう求めた。
イスラエル政府は2日、ガザ地区へのすべての物資搬入を停止すると発表。停戦延長を求める米国の提案をガザのイスラム組織ハマスが受け入れない場合、「さらなる結果」がもたらされると警告した。
ガザ国境は完全に封鎖され、物資を積んだ多くのトラックが立ち往生している。
アラブ連盟の首脳たちは530億ドル(約7兆9400億円)をかけてガザ地区を復興し、パレスチナ人の移住を回避するエジプトの計画を採択した。
一方、イスラエルはパレスチナ人を強制移住させ、ヨルダンとエジプトに移転させるというトランプ(Donald Trump)米大統領の案を改めて支持。「アラブ連盟は米政府に機会を与えることなく一方的に拒絶した」と主張した。
トランプ氏は米国がガザを所有・再開発し、中東のリビエラ(イタリア北西部の地中海に面する海岸、世界的な観光・保養地)にするという壮大なリゾート開発プロジェクトを提案している。
イスラエル政府はアラブ連盟がパレスチナ自治政府と国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を支持していることも批判した。
アラブ連盟は共同声明の中でイスラエルによるガザ封鎖を非難し、ヨルダン川西岸地区におけるイスラエルの侵略に終止符を打つよう求め、ガザとヨルダン川西岸におけるUNRWAの役割を強調した。
停戦第1段階は3月1日に期限切れとなり、第2段階に移行したように見えた。
しかし、イスラエル政府は停戦第1段階をラマダンと過ぎ越しの祭り、4月20日まで延長するという米国の提案を支持すると表明。ハマスに人質を解放するよう圧力をかけた。この提案はトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東特使によるものだという。
双方は仲介者を通じて要求を提示している。
第2段階では▽イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退すること▽パレスチナ人受刑者を解放する代わりに残りの人質を解放すること▽すべての軍事作戦と敵対行為を永久に停止することなどが協議される見通しだ。
イスラエル首相府によると、ウィトコフ氏は▽ハマスが最初の日に人質の半分を解放▽残りの人質は恒久的な停戦について合意に達したときに解放すると提案している。
ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は4日午後の時点で4万8388人、負傷者は11万1803人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
<停戦協定の概要>
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。
▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。
▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。
▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。
▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。
▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。
▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。
▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。
▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。
▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。