▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は20日午後の時点で4万8319人、負傷者は11万1749人となっている。
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イスラエル軍は20日、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスが返還した捕虜4人の遺体について、そのうち1人が身元不明の人物であるとして、正しい遺体を返還するよう要求した。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエルは4人のうち3人の身元を確認したものの、うち1体はハマスが解放を約束していた人物とは異なる遺体だったという。
ハマスはコメントを出していない。
イスラエル軍は声明で、「4人のうち1人は名簿に記載されている男性ではない」とし、この1人の遺体を速やかに返還するよう要求した。
一方、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は20日、テルアビブ近郊でバス3台が爆破されたことを受け、ヨルダン川西岸地区での対テロ作戦を強化するよう命じた。
ガザ停戦は1月19日に発効。それ以来、地区内でイスラエル軍の大規模攻撃は確認されていないが、散発的な発砲が何件が報告されている。
多くの市民が瓦礫の山と化した自宅に戻り、家族の遺品や使えそうな家具を探している。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は20日午後の時点で4万8319人、負傷者は11万1749人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。パレスチナ当局は紛争の推定死者数を6万1709人と報告、行方不明の約1万3500人が死亡したと推定している。
ハマスは20日に捕虜の遺体を返還。22日には6人の捕虜を解放する予定だ。これを受け、イスラエルはガザ停戦の第2段階の交渉が今週中に始まるという見通しを示した。
パレスチナ通信(WAFA)は20日、専門家の話しとして、「ハマスによる20日の遺体返還の際、市内をパレードしたのは間違いであった」と報じた。
他のアナリストや専門家もパレードを批判。「死者を冒とくする行為であり、イスラエルと同じようなことをすべきでなかった」と指摘した。「イスラエル軍は身元不明の数百人のパレスチナ人の遺体をゴミ袋に入れ、トラックに積み込み、ガザの保健所に運んでいた。ハマスがやったことはこれと同じであり、イスラエルの他のに振る舞うのではなく、尊厳を持って接するべきであった...」
<停戦協定の概要>
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。6週間続く予定。
▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。
▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。
▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。
▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。
▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。
▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。
▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。
▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。
▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。