◎以前承認されていた住宅約700戸の建設が前進。新たに2650戸の建設が承認された。
イスラエル政府は23日、占領下のパレスチナ・ヨルダン川西岸地区に新たな入植住宅を3300戸以上建設すると発表した。
反パレスチナ、反イスラムを推進する極右のスモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相は声明で新たな入植計画を発表。パレスチナ武装勢力による暴力を糾弾し、入植を擁護した。
パレスチナの武装勢力は22日、入植地近くの道路検問所を襲撃し、ユダヤ人1人を殺害、5人にケガを負わせた。
スモトリッチ氏はこの攻撃を非難し、「入植地の安全保障を確立するために住宅を建設する必要がある」と主張した。
またスモトリッチ氏は「パレスナチ側がイスラエルを攻撃すればするほど入植は加速する」と警告した。「愚かなテロリストは我々を攻撃するほど開発が進むことを理解すべきです」
スモトリッチ氏によると、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とガラント(Yoav Gallant)国防相も新たな入植計画を議論する会合に出席したという。
この結果、以前承認されていた住宅約700戸の建設が前進。新たに2650戸の建設が承認された。
ネタニヤフ政権はハマスとの紛争が終結次第、パレスチナ自治政府によるガザ地区・ヨルダン川西岸の統治を目指すという西側の考えを全面否定している。
入植が進めば進むほど、この実現は難しくなる。
ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は23日、訪問先のアルゼンチン・ブエノスアイレスで記者団に対し、「イスラエルの発表に失望している」と述べた。
ブリンケン氏はこの計画について、「恒久的な和平を達成するという国際社会の目標に逆行するものであり、国際法とも矛盾するため、断固反対する」と表明した。
このコメントは「入植地は国際法に違反していない」というトランプ前政権の立場を覆すものである。
ポンペオ(Mike Pompeo)前国務長官は数十年に渡る政府の政策を覆し、「イスラエルが目指す和解を支持する」と表明していた。