イスラエル軍、ガザ全域を爆撃、記者5人含む61人死亡
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は25日午後の時点で6万2686人、負傷者は15万7701人となっている。
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イスラエル軍が25日、パレスチナ・ガザ地区北部や南部への空爆を続け、過去24時間で少なくとも61人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。
南部のナセル病院に対する空爆では5人のジャーナリストを含む少なくとも21人が死亡。医療従事者や救急隊員も巻き込まれた。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラはこの空爆でAP通信、ロイター通信、アルジャジーラの記者を含む5人のジャーナリストが即死したと伝えている。
この空爆により、23年10月にガザ紛争が始まって以来、この地域で殺害されたジャーナリストは270人を超えた。
APとロイターもこの空爆で記者が亡くなったことを確認した。
イスラエル軍は病院への攻撃で民間人が亡くなったことを遺憾に思うと表明。空爆の経緯を調べるとしている。
軍はナセル病院を空爆した理由を明らかにしていない。
一部のメディアはナセル病院の敷地内にイスラム組織ハマスの隠れ家あると報じているが、真偽は不明である。
APはイスラエル軍がナセル病院内にあるハマスの隠しカメラを破壊するために攻撃したと報じた。
イスラエル軍はナセル病院の上階を空爆。人が集まったところで、もう1回空爆したとされる。
国連はこの空爆を非難し、イスラエル政府に調査を要求。フランス、イギリス、ドイツなども公正な調査を求めている。
イスラエルとハマスの交渉は先月破綻。カタール、エジプト、米国が再交渉を仲介しているが、停戦が実現する見通しは立っていない。
国連機関、政府、援助団体などが参加する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は22日、ガザ北部ガザ市で飢饉が発生していると宣言した。
IPCがガザ地区で飢饉が発生していると宣言したのは初めて。「人為的に飢饉が引き起こされている」と指摘し、即時停戦と国境開放を呼びかけた。
IPCはガザ市の飢饉の段階を「フェーズ5」と判断。フェーズ3は危機レベルの飢餓と定義され、フェーズ4は緊急事態、フェーズ5は大災害または飢饉とみなされる。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は25日午後の時点で6万2686人、負傷者は15万7701人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。