▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は12日午後の時点で5万942人、負傷者は11万6065人となっている。
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イスラエル軍が12日、パレスチナ・ガザ市の北部にあるアル・アハリ病院を爆撃し、多数の負傷者が出た。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラはガザ当局者の話しとして、「過去24時間で少なくとも30人が死亡、数十人が負傷し、大勢が瓦礫の下敷きになった」と伝えている。
アル・アハリ病院の状況は明らかになっていないが、アルジャジーラは医療関係者が患者の避難場所を確保するために奔走していると報じた。
イスラエル軍は12日、中心部のヌセイラト難民キャンプとハンユニスの住民に新たな強制避難命令を出した。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は12日午後の時点で5万942人、負傷者は11万6065人となっている。
イスラエル軍が3月18日に空爆を再開して以来、1600人近くのパレスチナ人が殺害され、40万人以上が強制退去を余儀なくされた。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
イスラム組織ハマスは12日、停戦交渉を仲介するエジプトが主催する協議に参加するため、代表団をカイロに送った。
イスラエルは7週間前にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は「未曽有の大飢饉」が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう呼びかけている。
イスラエル政府は停戦第1段階を4月20日まで延長するという米国の提案を支持。ハマスに人質を解放するよう圧力をかけてきた。
ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
双方は仲介国を通じていくつかの要求を提示している。
第2段階の交渉では▽イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退すること▽パレスチナ人受刑者を解放する代わりに残りの人質を解放すること▽すべての軍事作戦と敵対行為を永久に停止することなどが協議される予定であった。
トランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使は停戦第1段階を4月20日まで延長し、▽ハマスが最初の日に人質の半分を解放▽残りの人質は恒久的な停戦について合意に達したときに解放すると提案していた。
イスラエル軍がガザ地区南部への攻撃を拡大する中、エジプト国境沿いのラファに新たな「安全地帯」が設置された。
イスラエル軍は12日、ラファと他の地域を分断する「モラグ回廊」の建設を完了したと発表した。
またイスラエル軍はハンユニスのいくつかの地区に対して新たな強制避難命令を発令し、この地域からイスラエルに向けて発射されたとみられるハマスのロケット弾に対抗する「強力な攻撃」が迫っていると警告した。
ハンユニスではこの日、複数の建物がドローン空爆で倒壊。少なくとも2人が死亡、大勢が行方不明になっている。
イスラエルのカッツ(Israel Katz)国防相は12日、モラグ回廊が事実上ラファを「イスラエルの安全地帯」に変えたと主張。さらに、ガザ地区の南北を隔てるネツァリム回廊も今後拡張されると述べた。