▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は28日午後の時点で4万7354人、負傷者は約11万1563人となっている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は28日、過去48時間で37万6000人以上のパレスチナ人が廃墟と化したガザ北部に帰還したと明らかにした。
イスラエル政府は27日にガザの南北を隔てるネツァリム回廊を開放した。
ガザ停戦は1月19日に発効。それ以来、地区内でイスラエル軍の大規模攻撃は確認されていないが、散発的な発砲が何件が報告されている。
多くの市民が瓦礫の山と化した自宅に戻り、家族の遺品や使えそうな家具を探している。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は28日午後の時点で4万7354人、負傷者は約11万1563人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~2万人と推定されている。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、ガザ北部の建物の7割から8割が全壊または損壊し、人が住めるような状況ではないという。
国連は15万~20万張のテントが必要と見積もっている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ(Philippe Lazzarini)事務局長は28日、イスラエル国内で1月30日からUNRWAの活動が禁じられることについて、ガザ地区への支援提供に壊滅的な影響を与えると改めて警告した。
一方、停戦が続くレバノン南部では28日、イスラエル軍の攻撃により少なくとも24人が負傷。レバノンのミカティ(Najib Mikati)首相はイスラエルがヒズボラとの停戦協定を無視して南部に近づく市民を攻撃していると非難した。
イスラエル軍はパレスチナ・ヨルダン川西岸地区でも対テロ作戦を継続中だ。軍は28日未明、ナブルスへの攻撃を開始した。
アルジャジーラによると、イスラエル兵はナブルス中心部の複数の建物を急襲したという。
イスラエル軍はナブルスの西方に位置するトゥルカレム難民キャンプとその周辺地域でも大規模な軍事作戦を展開している。
<停戦協定の概要>
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。6週間続く予定。
▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。
▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。
▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。
▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。
▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。
▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。
▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。
▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。
▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。