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イスラエル軍、ガザ市での地上作戦を開始、参謀総長が発表

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午後の時点で7万8409人(行方不明者含む)、負傷者は16万660人となっている。
2025年9月2日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部(Getty Images/AFP通信)

イスラエル軍が2日、パレスチナ・ガザ地区北部ガザ市や中部への攻撃を激化させ、過去24時間で少なくとも76人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。

ガザ市で飢饉が進行する中、イスラエル国防軍(IDF)のザミール(Eyal Zamir)参謀総長は2日、「ガザ市での地上作戦を開始した」と発表した。

ザミール氏はこの数週間で召集された予備役に向けて演説。「ガザ市での作戦を強化・拡大する。それが君たちを召集した理由だ」と述べ、地上作戦を激化させ、「地獄の門」を開くと警告した。

ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も2日、IDF予備役に向けたメッセージを発表した。

イスラエルはガザ市の退避期限を10月7日に設定。それ以降に攻撃を本格化させるとみられている。

国際社会は地上作戦による多大な犠牲と、ガザ市にとどまる推定100万人の市民の一斉避難に深刻な懸念を表明。イスラエルに自制を求めているが、イスラエル軍はガザ地区最大の都市であるガザ市を制圧する準備を進めてきた。

ガザの保健当局によると、イスラエル軍の過去24時間の攻撃により、ガザ市などで少なくとも76人が死亡、281人が負傷したという。

その中には人道支援物資を受け取ろうとした市民12人が含まれていた。

配給所とのその周辺ではイスラエル兵の銃撃などにより少なくとも90人が負傷した。

保健当局は2日朝の声明で、「ガザ全域で過去24時間に3人の子供を含む13人が餓死した」と報告。これにより、23年10月に紛争が始まって以来、地区内の餓死者は360人を超えた。

イスラエルのカッツ(Israel Katz)国防相は先月末、イスラム組織ハマスがイスラエル側の停戦条件に同意しない場合、ガザ市が「木っ端みじん」になる可能性があると警告した。

カッツ氏はX(旧ツイッター)への投稿で「まもなく、ガザのハマス殺人者と強姦犯どもを裁く地獄の門が開かれるだろう」と書いた。

イスラエルの要求にはハマスが拘束している人質全員の解放、ハマスがガザ地区の統治権を放棄すること、ハマスがガザ地区から離れることなどが含まれている。

イスラエルとハマスの交渉は先月破綻。カタール、エジプト、米国が再交渉を仲介しているが、停戦が実現する見通しは立っていない。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2日午後の時点で7万8409人(行方不明者含む)、負傷者は16万660人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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