◎国連やその他の人道団体はガザが「壊滅的」なレベルの飢饉が進行中であると警告。人道支援の搬入量を100倍以上に増やすよう求めている。
パレスチナ・ヨルダン川西岸地区からガザ地区に向けて支援を物資を運んでいたトラックが13日、イスラエル市民の攻撃を受け、大破した。
イスラエル当局は14日、この襲撃に関与したとされる複数人を逮捕したと明らかにした。
ガザ紛争を擁護する強硬派たちはガザへの支援物資搬入をやめるよう求め、トラックを妨害。物資を破壊し、火を放った。
国連やその他の人道団体はガザが「壊滅的」なレベルの飢饉が進行中であると警告。人道支援の搬入量を100倍以上に増やすよう求めている。
ソーシャルメディアで共有された動画にはユダヤ教の聖地である西岸のヘブロン付近でデモ隊がトラックに襲いかかり、水や食料を地面に放り投げる様子が映っていた。
一部のトラックは全焼し、真っ黒こげになっている。
ヘブロン以外の幹線道路でもガザへの物資搬入に反対する強硬派たちがバリケードを設置するなどして、トラックを妨害。警察の取り締まりを回避しながら嫌がらせを続けている。
地元テレビ局の取材に応じた暴徒のひとりは、「これらの物資はガザのテロリスト集団ハマスの手に渡るので、到着前にひとつ残らず破壊しなければならない」と主張した。
米ホワイトハウスのサリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は13日の記者会見でこの事件に言及。「まったくもって容認できない行為だ」と断じた。
またサリバン氏は「人道支援を届けるために西岸からガザに向かう輸送隊を攻撃し、略奪するなど言語道断である」と語気を強め、イスラエル政府とこの事件について情報を共有していると述べた。
イスラエルの法執行機関はこの襲撃事件について、「捜査が進行中である」としかコメントを出していない。
国連によると、イスラエルとハマスの紛争が始まって以来、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)とその関連職員180人以上がガザでの支援活動中に死亡したという。
パレスチナ側の死者数は3万5000人を超えた。負傷者は8万人近くに達している。
停戦交渉を仲介するカタール政府は14日、協議が難航していることを認めた。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは政府高官の話しとして、「双方の主張には大きな隔たりがあり、それを埋めるのは容易ではない」と報じた。