◎改正案が成立すると、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。
イスラエルの首都テルアビブで29日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議するデモが行われ、数万人が参加した。
このデモは今年初めから毎週行われており、17週目に突入した。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は先月、法案の審議を延期すると発表したが、デモ隊は廃案になるまで抗議し続けていると誓っている。
テルアビブ中心部の通りには「戦いは始まったばかり」「司法を破壊するな」などと書かれた横断幕が掲げられた。地元メディアによると、他の都市でも小規模な集会やデモ行進が行われたという。
テルアビブの集会場ではスペインのサンチェス(Pedro Sanchez)首相のビデオメッセージが放映された。
サンチェス氏はデモへの支持を表明し、「国際社会は自由、平等、正義、そして民主主義を確立するために、様々な困難に立ち向かってきた」と語った。
デモ隊は改正案がイスラエルの民主的価値を脅かし、チェックアンドバランス(権力が特定の期間や部門に集中することをさけ、各部門間相互の均衡をはかること)を破壊してネタニヤフ政権に権限を集中させようとしていると非難してきた。
改正案が成立すると、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。軍のエリート部隊、企業、対外諜報機関モサドの長官などもデモを支持し、改革案を否定した。
しかし、ネタニヤフ政権を支持する団体も各地でデモを繰り広げており、27日には数万人がエルサレムに集結し、ネタニヤフ氏に法案を速やかに成立させるよう呼びかけた。