◎ネタニヤフ首相は3月に法案の審議を一時中断すると発表したが、デモ隊は法案が廃案になるまで抗議を続けるとしている。
イスラエルの首都テルアビブで3日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議するデモが行われ、数万人が参加した。
このデモは今年初めからほぼ毎週行われており、22週目に突入した。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は3月に法案の審議を一時中断すると発表したが、デモ隊は法案が廃案になるまで抗議を続けるとしている。
AP通信によると、その他の都市でも百人規模の集会やデモ行進が行われたという。
テルアビブのデモ隊はイスラエルの国旗を振り、松明をともし、太鼓を叩いたりして抗議した。
この司法制度改革案はイスラエルを建国史上最悪の国内危機に陥れ、分断を煽り、新たな亀裂を生じさせた。
法案の審議停止で緊張は緩和されたものの、与党・リクードと連立を組む超国家主義政党は改革を推し進めるようネタニヤフ氏に圧力をかけている。
改正案が成立すると、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。
国家主義者たちは左派で構成される最高裁が選挙で選ばれた国会議員より大きな権限を与えられていることに不満を抱き、速やかに法律を改正するよう求めている。
汚職裁判で公判中のネタニヤフ氏は与野党と協議を進めているとみられるが、妥協点を見いだすことは容易ではない。
政府はこの改革で最高裁と国会の権限が対等になり、より良い国家を形成できると主張している。
デモ隊はチェックアンドバランス(権力が特定の期間や部門に集中することをさけ、各部門間相互の均衡をはかること)が崩壊し、民主主義の根幹を揺るがすと非難している。