◎ネタニヤフ氏は汚職容疑で公判中にもかかわらず、司法制度の見直しを政策の柱に掲げ、リベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を連邦議会に付与したいと考えている。
イスラエルの首都テルアビブで8日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議する集会が開かれ、10万人以上が参加した。
改革に抗議するデモは今週、イスラエルと占領下のヨルダン川西岸地区で暴力が急増したことを受け、一時的に中断していた。
テルアビブや他の都市で抗議の声が上がる一方、パレスチナ自治政府は8日、イスラエル軍の兵士が西岸地区でパレスチナ人男性を射殺したと発表した。
保健省によると、男性は20歳。ナブルス郊外で胸部と腹部を撃たれ、死亡したという。
イスラエル軍は同日、シリア領内からイスラエルに向けてロケット弾3発が発射されたと発表した。
地元メディアによると、犯行声明は出ておらず、イスラエル領内で被害や死傷者は確認されていない。
東エルサレムの聖地アルアクサ・モスク周辺では、レバノン南部やガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾が発射され、緊張が高まっているにもかかわらず、数万人のパレスチナ人礼拝者が祈りに参加する予定だ。
テルアビブで7日に発生した暴走車によるテロ事件ではイタリア人観光客が死亡。西岸地区では同日未明、英国系イスラエル人の姉妹が射殺される事件が発生した。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は米国、国連、EUが冷静な対応を求める中、国境警備に予備役を動員し、最悪の事態を想定した体制に移行。軍に国境警備を強化するよう命じた。
ネタニヤフ氏は汚職容疑で公判中にもかかわらず、司法制度の見直しを政策の柱に掲げ、リベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を連邦議会に付与したいと考えている。
しかし、法案の審議が進むと抗議デモが激化。ネタニヤフ氏はデモ隊と野党の圧力に屈し、審議を一時中断した。