◎ネタニヤフ氏は1日の閣議で、「政敵との妥協点を探る時間を作ることで内戦を避けたい」と表明した。
2023年4月1日/イスラエル、首都テルアビブ、ネタニヤフ政権と司法制度改革に抗議するデモ(Ohad Zwigenberg/AP通信)

イスラエル全土で1日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議する集会が開かれ、数万人がシュプレヒコールを上げた。

このデモは今年初めから毎週定期的に行われており、13週目に突入した。

ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は今週、米政府も深刻な懸念を表明した司法制度改革法案の審議を一時中断すると発表したが、デモ隊は「信じない」「嘘つき」「狂った独裁者を倒せ」などと叫び、ネタニヤフ氏に辞任を求めている。

テルアビブの中心部に集まったデモ隊は国旗や横断幕を掲げ、法案を今すぐ破り捨てるよう求めた。報道によると、他の都市でも数百人規模の集会や行進が行われたという。

ネタニヤフ氏は汚職容疑で公判中にもかかわらず、司法制度の見直しを政策の柱に掲げ、リベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を連邦議会に付与したいと考えている。

改革法案が成立すれば、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆すことができるようになる。

一部の右派勢力もイスラエル史上最も右寄りなネタニヤフ政権にウンザリしているようだ。

ネタニヤフ氏は1日の閣議で、「政敵との妥協点を探る時間を作ることで内戦を避けたい」と表明した。

しかし、デモ隊は法案の破棄を求め、「国が分断されたとしても司法の独立を守る」と誓った。

イスラエルはネタニヤフ氏の提案により、過去数十年で最悪の国内危機に陥った。

ビジネスリーダー、トップエコノミスト、軍高官も提案に反対し、「独裁者が三権分立を破壊し、全権力を手中に収めようとしている」と非難している。

空軍のパイロットや予備役も怒りを露わにし、政府の出動要請には応じられないと警告した。

ネタニヤフ氏は選挙で選ばれたわけでもない裁判官に政府の決定を覆す権限があることに異議を唱え、改革が必要と主張している。

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