◎ネタニヤフ氏は汚職容疑で公判中にもかかわらず、司法制度の見直しを政策の柱に掲げており、リベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を連邦議会に付与したいと考えている。
2023年3月4日/イスラエル、首都テルアビブ、政府の司法制度改革に抗議するデモ(Ohad Zwigenberg/AP通信)

イスラエルの主要都市で4日、政府の司法制度改革に反対する集会が開かれ、数万人がネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に抗議した。

首都テルアビブのデモは9週目に突入、数万人が改革案を拒否した。

今週初めに行われたデモは警察と抗議者の衝突に発展したものの、現地メディアによると、4日のデモは平和的に行われたという。

ロイター通信の取材に応じた男性は、「この巨大なデモは、イスラエル人が民主主義を諦めないことを示している」と語った。

ネタニヤフ氏は汚職容疑で公判中にもかかわらず、司法制度の見直しを政策の柱に掲げており、リベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を連邦議会に付与したいと考えている。

改革案が承認されれば、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆すことができるようになる。

この改革案は昨年末に発足した超正統派政権の根幹をなすものである。超国家主義政党「ユダヤの家」を率いるベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相とレビン(Yariv Levin)法相はこの改革案を「必要不可欠」と評している。

議会は先月、ネタニヤフ政権に最高裁判事の任命権を与え、「基本法」に基づく最高裁の権限を剥奪する法案の予備審議を終えた。

基本法は独立宣言と並んでイスラエルの憲法として機能し、同国を「ユダヤ人の祖国」と定義。国際社会から民主主義を弱体化させると長年非難されてきた。

一部のアナリストは法案が成立すれば、最高裁がネタニヤフ氏に有罪判決を言い渡したとしても、国会で過半数を占める与党はそれを無効にできると指摘している。

ネタニヤフ氏は贈収賄、詐欺、背任の罪で起訴されているものの、嫌疑を丸ごと否定している。

イスラエル警察は今週、テルアビブのデモ隊にスタングレネードを撃ち込み、大乱闘を力で制した。

AFP通信の取材に応じた高校教師の男性は、「このままではイスラエルが独裁国家になってしまう」と語った。「私たちは改革案が撤回されるまで抗議し続けます」

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