◎ネタニヤフ氏は汚職容疑で裁判中の身でありながら、法制度の見直しを政策の柱に掲げている。
2023年1月14日/イスラエル、首都テルアビブ、ネタニヤフ政権の政策に抗議するデモ(ロイター通信)

イスラエルの首都テルアビブで14日、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の政策に反対するデモが行われた。

デモ隊は司法制度を弱体化させる政策に抗議し、ネタニヤフ政権が民主主義を破壊しようとしていると非難した。

またデモ隊は超国家主義政党「ユダヤの家」を率いるベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相を「アラブ人の敵」と呼び、辞任を要求した。

グヴィル氏は警察に対し、パレスチナの国旗を発見した時は厳しい措置を取るよう命じたと伝えられている。

警察当局によると、テルアビブの中心部に集まったデモ参加者は8万人ほどに膨れ上がったという。

一部のデモ隊はイスラエルの国旗を掲げて市内を行進した。

デモに参加したユダヤ教徒の男性はAP通信の取材に対し、「民主主義の原則を守ることが重要だ」と語った。「司法の権限を弱める政策には断固として反対します...」

地元メディアによると、一部のデモ隊が高速道路の封鎖を試み警察と衝突したという。負傷者は報告されていない。

ネタニヤフ氏は汚職容疑で裁判中の身でありながら、法制度の見直しを政策の柱に掲げている。

イスラエル史上最も右寄りな政府は、連邦議会に最高裁の判決を覆せる権限を付与したいと考えている。

ネタニヤフ氏は選挙で選ばれた国会議員より裁判官の権限が強いことに不満を表明している。

反対派はこの政策が司法の独立を損ない、民主主義を弱体化させると反発している。

国会の野党指導者、検察庁、最高裁の長官らも政府の提案に強く反対している。

法改正が提案通りに実現すれば、ネタニヤフ氏が汚職裁判で有罪判決を受けても、国会で判決を覆すことができるかもしれない。

ネタニヤフ氏は2019年に起訴されて以来、司法制度に繰り返し不満を表明してきた。

一方、警察はデモに先立ち、政府施設の警備を固め、暴動には厳しく対処すると示唆した。

地元メディアは警察筋の話を引用し、「治安相に平和的なデモ以外は厳しく取り締まるよう命じられた」と報じている。

破壊行為や暴力は確認されておらず、デモはおおむね平和的に行われたようだ。

報道によると、エルサレムや北部の沿岸都市ハイファなどでも小規模な集会が開かれたという。

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