◎ネタニヤフ首相が提唱する司法制度改革案はイスラエルを建国史上最悪の国内危機に陥れ、分断を煽り、新たな亀裂を生じさせた。
イスラエルの首都テルアビブやエルサレムで22日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議する集会が開かれ、数十万人が参加した。
このデモには元首相を含む100人以上の政府関係者も参加し、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に法案の採決見送りを求める嘆願書に署名した。
さらに、数千人の予備役も法案に反対し、それが成立すれば招集には一切応じないと警告した。
デモを主催する団体とその支持者たちは4日前にテルアビブを出発し、エルサレムの国会前を目指していた。
報道によると、国会周辺には数万人が集まったという。
テルアビブの中心部、南部ベエルシェバ、ハイファなどの通りでも数万人規模のデモ行進と集会が開かれた。
ネタニヤフ氏が提唱する司法制度改革案はイスラエルを建国史上最悪の国内危機に陥れ、分断を煽り、新たな亀裂を生じさせた。
デモ隊は半年以上に渡ってこの案に抗議し、ネタニヤフ政権が法案を破棄しない限りデモを続けると誓っている。
しかし、ネタニヤフ氏の与党・リクードおよび、それと連立を組む超国家主義政党は法案を審議入りさせた。採決は24日に行われる予定だ。
ネタニヤフ氏の案がそのまま成立すると、国会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。
反対派はこの案が司法の独立とチェックアンドバランスを破壊し、独裁国家への道を進むことになると警告している。
退役した軍司令官、警察長官、情報機関のトップなど、100人以上の元高官がこれらの呼びかけに加わり、ネタニヤフ氏がイスラエルを危険にさらしたと非難。法案の差し止めを求める書簡に署名した。
署名者にはバラク(Ehud Barak)元首相、元陸軍長官、元国防相が含まれている。これらはいずれもネタニヤフ氏の政敵である。
デモを主催する団体はSNSに声明を投稿。「この法案はイスラエル社会が共有しているものを押しつぶし、国民を引き裂き、国防軍を崩壊させ、安全保障に致命的な打撃を与えるだろう」と投稿した。