イスラエル政府、ヨルダン側西岸地区に新入植地建設へ
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸、ガザ地区、シナイ半島、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。
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イスラエル政府は29日、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区にある22の新たなユダヤ人入植地を近隣のコミュニティから分離する計画を閣議決定した。
反イスラムを推進する極右スモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「この入植地は西岸地区北部にある」と述べたが、具体的な場所は明らかにしなかった。
パレスチナ自治政府と人権団体はこの決定を「侵略」と非難した。
地元紙ハーレツは国防省関係者の話しとして、「22の入植地のうち、既存の前哨基地はイスラエル法の下で合法化され、新たな入植地も建設される」と報じた。
カッツ(Israel Katz)国防相はコメントを出していない。
パレスチナ自治政府とガザ地区のイスラム勢力はこの決定を厳しく非難した。
アッバス(Mahmoud Abbas)議長の報道官は声明で、「これは危険なエスカレーションであり、イスラエルがこの地域全体を暴力と負のサイクルに引きずり込んでいる」と述べた。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸、ガザ地区、シナイ半島、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。
イスラエル政府がヨルダン川西岸の支配権を譲ることに反対しているのは、ガザ地区のイスラム組織ハマスによる23年10月7日のような攻撃を恐れているためだ。
ヨルダン川西岸と東エルサレムにはおよそ70万人のユダヤ人入植者が270万人のパレスチナ人に混じって暮らしている。
ほとんどの国が中東戦争で奪った領土にイスラエルが入植することを国際法違反と考えている。イスラエルはこの土地との歴史的、聖書的な結びつきを理由に、これに異議を唱えている。