◎イスラエルとパレスチナの緊張は今月初めの紛争で頂点に達した。
パレスチナで活動する人権団体は18日、イスラエル軍が事務所を襲撃し、書類を持ち去り、職員に事務所を速やかに閉鎖するよう命じたと報告した。
人権団体AL-HAQによると、軍は18日の明け方に事務所のドアを破壊して押し入ったという。AL-HAQはヨルダン川西岸地区に拠点を置き、パレスチナ人の権利保護活動などを行っている。
イスラエル政府は昨年、この団体を含む6団体をテロ組織に指定した。政府報道官によると、この6団体はパレスチナ解放人民戦線(PFLP)に資金を提供したという。
しかし、団体はこの告発を否定し、一部の欧州諸国も証拠が示されていないと批判している。
AL-HAQによると、イスラエル軍は市内の6団体事務所をほぼ同時に襲撃したという。
AL-HAQの広報担当はSNSに、「兵士は様々な物品を押収し、事務所入り口ドアを溶接し、事務所閉鎖を命じる紙を貼りつけ、撤退した」と投稿している。
イスラエルのガンツ(Benny Gantz)国防相は18日、「テロ組織に指定されている6団体はPFLPの活動を後押しし、工作員を勧誘し、テロを誘発している」と声明を発表した。
イスラエルはこの主張を裏付ける証拠を公表せず、機密としている。
パレスチナの人権団体はイスラエル政府を戦争犯罪で告発するという国際的な試みを公式に支持しており、標的にされたとみられる。
AL-HAQの責任者はツイッターに投稿した動画で、「イスラエル政府は我々を力でねじ伏せ、黙らせようとしている」と非難した。「私たちは仕事をやめません。これからもパレスチナ人の人権を追求し続けます...」
フランスやドイツなどのEU9カ国はイスラエル政府がその主張を証明していないとして、団体への資金提供を継続している。
英BBCニュースはテルアビブの英大使館当局者の話を引用し、「イスラエル政府に懸念を示し、人権団体の権利を擁護すると伝えた」と報じている。
イスラエルとパレスチナの緊張は今月初めの紛争で頂点に達した。
パレスチナ保健省は18日、ヨルダン川西岸地区で20歳のパレスチナ人男性がイスラエル兵に射殺されたと報告した。
この男性はユダヤ教の聖地に参拝者を案内していた際に銃撃戦に巻き込まれたと伝えられている。銃撃戦が発生した経緯は不明。イスラエル政府はこの事件に関する声明を発表していない。