イスラエル、米国のガザ停戦計画受け入れ=ホワイトハウス

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は29日午後の時点で5万4154人、負傷者は12万3449人となっている。
2025年5月29日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部の配給所近く(Getty Images/AFP通信)

米ホワイトハウスは29日、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区の紛争に関する米国の停戦案を受け入れたと明らかにした。

イスラム組織ハマスは米国の案を検討中としながらも、その条件はハマスの要求を満たしていないと指摘している。

イスラエル軍は29日、パレスチナ・ガザ地区の広い範囲で地上攻撃を展開し、過去24時間で少なくとも70人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。

米国が主導する食料援助が徐々に拡大する中、イスラエルメディアも29日、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相がトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が示した停戦案を受け入れたと報じた。

イスラエル首相府はこの報道に関するコメントを避けたが、ホワイトハウスのレビット(Karoline Leavitt)報道官は記者団に対し、「イスラエルは提案に合意した」と述べた。

ロイター通信は情報筋の話しとして、ウィトコフ氏が示した案には「60日間の停戦」と、ガザ地区への「人道支援物資の搬入拡大」が含まれると報じた。

AP通信によると、ハマスはこの案を検討中で、受け入れるかどうかは不明。ハマスはイスラエル軍の完全撤退を求めている。

またAPはハマス関係者の話しを引用し、「この案はイスラエルの立場を反映しており、ハマス指導部が要求している戦争の終結、イスラエル軍の撤退、援助の受け入れに関する約束は含まれていない」と伝えている。

イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入はほぼ滞っている。

この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は未曽有の大飢饉が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう何度も呼びかけてきた。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は29日午後の時点で5万4154人、負傷者は12万3449人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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