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イスラエル軍、ベイルート南部の住民に退去勧告、ヒズボラへの空爆激化

イスラエルとレバノンの親イラン武装組織ヒズボラとの戦闘が激化する中、紛争がベイルート中心部にまで拡大する可能性が高まっている。
2026年3月5日/レバノン、首都ベイルート、イスラエル軍の空爆を受けた建物(ロイター通信)

イスラエル軍は5日、レバノンの首都ベイルート南部の住民に対し、直ちに当該地域から退去するよう警告した。イスラエルとレバノンの親イラン武装組織ヒズボラとの戦闘が激化する中、紛争がベイルート中心部にまで拡大する可能性が高まっている。

イスラエル軍の報道官はベイルート南部郊外の複数地区を示した地図を公開し、「命を守るため避難せよ」と呼びかけた。住民は北部または東部へ移動するよう指示され、南方向へ向かうことは危険だと警告している。対象地域にはヒズボラの影響力が強い地区が含まれ、人口密集地の広範囲が避難対象となった。

今回の退去勧告はイスラエル軍がこれまで個別の建物単位で避難を求めてきたのとは異なり、南部郊外全体を対象とする異例の措置となっている。対象地域には数十万人規模の住民が暮らしているとみられ、警告後には自家用車や徒歩で避難する人々が相次ぎ、道路は激しい渋滞に見舞われた。

住民の一部は欧州の電話番号からイスラエル軍を名乗る自動音声の電話を受け取り、退去を促されたと証言している。テレビ映像では、警告射撃のような音が響く中、住民が荷物をまとめて避難する様子も確認された。

ベイルート国際空港は避難対象区域に隣接しているため、安全上の懸念から多くの航空便が欠航となった。市中心部には避難してきた住民が集まり、公共広場などに身を寄せる姿も見られた。

今回の緊張の高まりはヒズボラがイスラエル北部に向けてロケット弾などを発射したことがきっかけとされる。これを受けてイスラエルはレバノン南部や東部、ベイルート南部などへの空爆を開始し、レバノン当局によると、この数日間で少なくとも102人が死亡した。一方、イスラエル側で死者は報告されていない。

イスラエル政府内の強硬派はベイルート南部が将来「ガザ地区のような廃墟になる」と述べ、さらなる攻撃の可能性を示唆した。こうした発言は住民の不安を一層高めている。

レバノン政府はヒズボラがイスラエル北部に向けて攻撃を行ったことで戦闘に巻き込まれた。イスラエルは報復として各地で空爆を実施し、紛争が急速に拡大している。中東では米国とイスラエルによる対イラン作戦も進行中で、地域全体の緊張が一段と高まっている。

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