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イスラエル、ヨルダン川西岸地区への入植活動強化へ

これらの動きはパレスチナ側が将来の独立国家の核心として位置付ける同地区でのイスラエルの支配を一段と強めるものとして、国際社会の懸念を呼んでいる。
2024年4月13日/パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人居住区(AP通信)

イスラエル政府は8日、占領下にあるパレスチナ・ヨルダン川西岸地区に関する新たな取り組みを承認し、ユダヤ人入植者が同地区の土地をより容易に購入できるようにするとともに、パレスチナ人に対する行政権限と法執行力を強化する方針を打ち出した。これらの動きはパレスチナ側が将来の独立国家の核心として位置付ける同地区でのイスラエルの支配を一段と強めるものとして、国際社会の懸念を呼んでいる。

報道によると、承認された措置には、これまでユダヤ人入植者がヨルダン川西岸で土地を購入することを禁じていた長年の規制を撤廃することが含まれている。これにより、入植地の拡大が加速する可能性がある。また、イスラエル当局が宗教的遺跡の管理を行う権限を持つほか、環境リスク、水資源違反、遺跡の損傷といった問題に関して、パレスチナ自治政府が統治する区域でもイスラエル側の監視と執行を強化することが盛り込まれている。

ヨルダン川西岸の多くはイスラエル軍の実効支配下にあり、東部の一部地域ではパレスチナ自治政府が限定的な自治を行っている。しかし、今回の措置によりイスラエルの影響力がこれまで以上に強化されるとみられる。パレスチナのアッバス(Mahmoud Abbas)議長はこれらの動きを「危険で違法」と非難し、事実上の併合に等しいと主張した。アッバス氏はトランプ(Donald Trump)米大統領や国連安全保障理事会に介入を求めているという。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は今週、トランプ氏とワシントンDCで会談する予定、この措置はその直前に公表された。トランプ政権は西岸の併合を公式には否定しているものの、イスラエルによる入植活動の拡大に対して有意な抑制策を講じていないと批判されている。

ネタニヤフ連立政権には入植支持派の閣僚や議員が多数含まれており、パレスチナ国家の創設そのものを安全保障上の脅威とみなす立場を示している。一部の極右勢力は西岸の併合を積極的に推進し、今回の措置はその政治的影響力を反映したものとの指摘もある。

国際法の観点では、国連が2024年に提示した強制力のない諮問意見で、イスラエルによるパレスチナ領土とその入植地の占領は違法であり、できる限り早期に終結すべきだと述べている。イスラエルはこの見解に異議を唱えている。

パレスチナ側は今回の措置が和平交渉や二国家解決の展望をさらに遠のかせるものだとして強い反発を示し、地域の緊張が一段と高まる可能性がある。国際社会や関係国がどのように対応するかが今後の焦点となる。

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