イスラエル軍がレバノン南部のヒズボラ施設を空爆
攻撃対象となった町にはヒズボラの施設が複数存在し、軍のアラビア語報道担当者がX(旧ツイッター)を通じて避難命令と対象建物の地図を公開。住民らに対して、危険区域から離れるよう警告が発せられた。
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イスラエル軍は4日、レバノン南部の2つの町を攻撃したと発表した。ヒズボラの施設を空爆したという。イスラエル軍は周辺住民に対し、対象の建物からの即時避難を呼びかけていた。
発表によると、攻撃対象となった町にはヒズボラの施設が複数存在し、軍のアラビア語報道担当者がX(旧ツイッター)を通じて避難命令と対象建物の地図を公開。住民らに対して、危険区域から離れるよう警告が発せられた。
警告からおよそ1時間後、イスラエル軍は空爆を実行した。軍はこの攻撃がヒズボラの「違法な再武装の試み」に対応するものであると説明している。
イスラエルとヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
イスラエル軍は協定発効後もベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。
イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍とUNIFIL(国連レバノン暫定軍)が南部を管理することで合意していた。
しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。
ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部のほとんどと5000人以上の戦闘員を失った。
今回の攻撃は両国間の緊張緩和の試みが行われた直後に起こった。イスラエルとレバノンの間では停戦監視委員会への市民代表の参加など、交渉と対話の拡大に向けた動きが見られていた。今回の攻撃はそうした平和志向の取り組みに水を差すものとの受け止めが強まっている。
ただし、イスラエル軍および政府はヒズボラによる南レバノンでの再武装や拠点復活を絶対に許さない姿勢を示し、軍事的圧力を維持する考えを強調している。対象はヒズボラの軍事施設に限定されているとの主張だが、民間地域を含む警告と攻撃のタイミング、また過去の類似攻撃時の被害状況などから、国際社会や人道支援団体による懸念も高まっている。
