◎イスラエル軍はパレスチナのイスラム過激派組織ハマスがエルサレムに向けてロケット弾を発射したため、ガザ地区に対する空爆を開始した。
5月10日、イスラエル軍はパレスチナのイスラム過激派組織ハマスがエルサレムに向けてロケット弾を発射したため、ガザ地区に対する空爆を開始した。
ハマスが運営するパレスチナ保健省によると、空爆で子供を含む20人が死亡したという。
イスラエル軍は声明で、ガザ地区のハマスがロケット弾を数十発発射したため、テロリストに対する攻撃を開始したと述べた、
イスラエル人とパレスチナ人の関係はエルサレムの日を祝うイベントの影響で緊張していた。イスラエルの保守的な民族主義者たちは東エルサレムの旧市街のイスラム教徒地域を通過する行進を予定していたが、混乱を引き起こす可能性があったため、中止されている。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区(東エルサレム含む)、およびゴラン高原を占領した。以来、ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられた数百万人のパレスチナ人はみじめな生活を送っている。
エルサレムの日は東エルサレム(旧市街と聖地の本拠地)をパレスチナから取り戻したことを祝う日であり、多くのパレスチナ人は挑発と見なしている。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は演説の中で、「ガザ地区の過激派はレッドラインを越えた」と非難し、厳しい対応を約束した。「イスラエルの国民を攻撃する者は代償を支払うことになります。戦いはしばらく続くでしょう」
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、アメリカは暴力を監視していると述べた。イスラエルの米国大使館はハマスのロケット攻撃を「容認できない行為」と非難した。
イスラエル軍によると、ガザ地区から発射されたロケット弾は50発以上で、そのほとんどが南部の国境近くの町を狙っていたという。軍のスポークスマン、ジョナサン・コンリカス中佐は記者団に対し、「6発のロケットが約100km離れたエルサレムに着弾した」と述べた。「イスラエル軍はガザ地区の軍事拠点に対する空爆でハマスの過激派を少なくとも3人殺害しました...」
現地メディアによると、エルサレムへの攻撃は2014年のガザ戦争以来だという。
パレスチナ保健省によると、空爆で2人が死亡し、さらに北部の町で別の爆発が発生し、子供3人を含む7人家族が死亡したという。別の爆発が空爆によるものかどうかは明らかにされていない。
現地メディアの取材に応じたパレスチナ人のアシュラフ・アル・マスリ氏は、自宅の外で爆発が起きたと述べた。「なにが爆発したかは分かりません。私は子供を埋葬しなければなりません。しかし、町は戦場になり、外出することは困難です」
イスラエル軍は南部国境近くの町にロケットが着弾し、民間人が軽傷を負ったと述べた。
ハマスの軍事部門のスポークスマン、アブ・オベイダ氏はAP通信の取材に対し、「攻撃はイスラエル人がエルサレムの占領を祝い、パレスチナ人を残酷に暴行したことに対する報復」と述べた。「敵は理解しなければなりません。イスラエル軍が神聖なアル=アクサー・モスク(ユダヤ教とイスラム教の神聖な山)に侵入した場合、私たちはさらなる攻撃を実行するでしょう」
イスラエルの警察は先日、ユダヤ教で最も聖なる場所と見なされているアル=アクサー・モスクでパレスチナ人と衝突した。パレスチナ人は投石攻撃でユダヤ人を追い出そうとしたが、警察の催涙ガス、スタングレネード、ゴム弾に打ちのめされている。
パレスチナ赤新月社によると、約半日続いた暴動でパレスチナの民間人300人以上が負傷したという。一方、イスラエルの警察当局は、警察官21人が負傷したと述べた。またイスラエルの救急隊によると、イスラエルの民間人7人が病院に運ばれたという。
この暴動を受け、イスラエル当局は東エルサレムの奪取を祝うエルサレムの日の行進ルートを変更した。
エルサレムの緊張は、ネタニヤフ首相が連立政権の形成に失敗した影響で地域全体に波及した。ネタニヤフ首相と対立する野党勢力は代替政府の構築を目指している。
イスラエルの破壊を求めるイスラム過激派組織ハマスは、2007年6月にガザ地区の権力を掌握して以来、イスラエル軍と3回戦争を行った。ハマスはイスラエル全土を攻撃できるミサイルとロケットを保有している。
パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領のスポークスマン、ナビル・アブ・ルデイネ氏は先日の声明で、イスラエル警察の取り締まりを厳しく非難した。「イスラエルの占領軍によるアル=アクサー・モスクでの残忍な襲撃と暴行は、国際社会に対する挑戦である」