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イスラエル首相「米国がイラン核合意の条件を整えつつある」

ネタニヤフ氏は今回の会談を「重要な対話」と位置づけ、今後も米国との連携を維持しながら、イスラエルの安全保障上の要求を交渉の中心に据えていく意向を示した。
米ワシントンDCホワイトハウス、トランプ大統領(右)とイスラエルのネタニヤフ首相(AP通信)

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は12日、米ワシントンDCでトランプ(Donald Trump)大統領と会談し、トランプ政権がイランとの新たな合意の条件を整える可能性があるとの見方を示し、「合意が成立するならば、それは良い取引につながる条件を作るものかもしれない」と述べた。ネタニヤフ氏は声明で、今回の会談が「非常に良い」内容だったとトランプ氏自身が語ったと紹介しつつも、将来の合意内容に対しては慎重な姿勢を崩さなかった。

またネタニヤフ氏は、イランとの合意が成立するならば、イスラエルにとって重要な要素が含まれる必要があると強調した。また、それにはイランの核計画停止に加え、弾道ミサイル開発の制限や地域の代理勢力(ヒズボラなど)への支援停止といった項目が含まれるべきだと述べた。これらはイスラエルが安全保障上の重大な懸念として長年にわたり指摘してきた事項であり、核問題だけを対象とする従来の枠組みには満足しないとの立場を改めて示した形だ。

この日行われた会談は、トランプ氏が昨年政権に復帰してから7回目となるネタニヤフ氏との協議であり、両首脳は2時間半にわたって非公開で意見交換を行った。ネタニヤフ氏は会談を通じ、米側のイラン政策に影響を及ぼすことを狙いつつも、米国とイスラエルの間で意見の一致点と相違点があることを示した。トランプ氏は会談後、イランとの交渉を続けるべきだと強調し、「合意の可能性を模索する必要がある」と自身の立場を表明した。

しかし、具体的な合意には至っていないことも明らかで、トランプ氏は協議の前進を強調しつつも、合意成立に向けた明確な進展やコミットメントは示さなかった。ホワイトハウスからは、合意を目指す交渉が続く中で軍事的な選択肢も排除されていないとの立場が示されており、外交と圧力の両面を維持する姿勢が伺える。

一方、イラン側はこれまで、核関連交渉と弾道ミサイルや代理勢力の問題を切り離す立場を堅持し、合意の枠組みを狭める姿勢を崩していない。イラン政府は核開発に関する交渉においては制限を受け入れる用意があると示唆しつつも、ミサイルや地域勢力に関する条項は別途扱うべきだとの立場を維持している。

地域情勢は依然として緊迫しており、米国は中東地域への軍事的プレゼンスを強化している。トランプ政権はイランへの軍事攻撃の可能性を示唆し、外交交渉が不調に終わった場合には対応を辞さない姿勢を見せている。これらの動きは、イランとの交渉に対する不透明感と緊張を高め、中東の安全保障環境に影響を及ぼしている。

ネタニヤフ氏は今回の会談を「重要な対話」と位置づけ、今後も米国との連携を維持しながら、イスラエルの安全保障上の要求を交渉の中心に据えていく意向を示した。だが、具体的な合意条件の内容や成立時期については依然として不確定要素が多く、今後の動向が注目される。

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