◎ネタニヤフ首相は15日午後に放送された演説の中で、「空爆は必要な限り続く」と述べ、「軍は民間人の死傷者を減らすための措置を講じている」と主張した。
5月15日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はパレスチナのガザ地区を支配するイスラム過激派組織ハマスに対する空爆を継続し、「ハマスのロケット攻撃に力強く対応し続ける」と誓約した。
ガザ地区の保健当局によると、死者は5月15日時点で子供41人と女性23人を含む148人に達し、1,000人以上が負傷したという。ハマスは上級司令官数十人の死亡を認め、他のジハード組織の幹部も数十人死亡したと伝えられているが、正確な死者数は不明。イスラエルでは6歳の子供を含む10人の死亡が確認されている。
国際社会は激化する紛争の終結を求めている。
アメリカのジョー・バイデン大統領は15日、ネタニヤフ首相とパレスチナのマフムード・アッバース大統領と電話会談を行い、懸念を伝えた。
国連安全保障理事会は16日午後に緊急会合を開催する予定。
ネタニヤフ首相は15日午後に放送された演説の中で、「空爆は必要な限り続く」と述べ、「軍は民間人の死傷者を減らすための措置を講じている」と主張した。「私たちは敵が攻撃しなければ何もしません。しかし、敵は攻撃を続けています。軍はテロリストの攻撃からイスラエルの国民を守ります」
イスラエル警察は先月、ラマダンの開始に合わせてアル・ハラム・アル・シャリフ(高貴な聖域)と呼ばれるエリアを訪れたパレスチナ人を厳しく取り締まり、衝突はハマスのロケット攻撃に発展し、イスラエル軍は報復空爆で応戦した。
イスラエル軍のジョナサン・コンリカス中佐は15日の声明で、ハマスはガザ地区から278発のロケット弾を発射し、南部の都市アシュドッド、ベエルシェバ、スデロットの民家や車両が被害を受けたと述べた。「軍はアイアンドームミサイル防衛システムでイスラエルに到達したロケットの大半を迎撃しました...」
現地メディアによると、首都テルアビブ郊外の通りにロケット弾が着弾し、男性1人が死亡したという。
一方、ガザ地区西部の難民キャンプでは1家族10人が空爆に巻き込まれ死亡した。現地メディアによると、母親、4人兄弟、叔母と4人のいとこが死亡し、生後5か月の幼児だけが生き残ったという。空爆時、現地にいなかった父親はロイター通信の取材に対し、「難民キャンプにロケットはありません」と述べた。「息子たちはイスラム教の祭りを祝っている最中に爆死しました。息子たちは何か悪いことをしましたか?」
ロイター通信によると、生後5か月の幼児は右足の大腿骨を骨折したが、命に別条はないという。
イスラエル軍は15日の空爆で、AP通信やアルジャジーラなどの海外の主要メディアが入居していたオフィスビルを爆撃した。
イスラエル軍は空爆直後の声明で、ビル内にはハマスの軍事関連施設があったと主張したが、ビルの所有者はこの主張を却下した。AP通信によると、ビル内で活動していた報道関係者を含む居住者は空爆前に避難していたという。
AP通信のゲーリー・プルイットCEOは声明で、「イスラエル軍の破壊行為にショックを受け、恐怖を感じている」と述べた。「人命の損失はかろうじて回避できましたが、これは非常に厄介な問題です...」
アルジャジーラのモステファ・スアグ事務局長代理は空爆を「戦争犯罪」と呼び、イスラエル軍を非難した。「軍はメディアを沈黙させ、ガザ地区で生活する人々の苦しみと大虐殺を隠蔽しようとしています...」
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は15日、「アメリカはイスラエル政府に対し、ジャーナリストと独立メディアの安全の確保は政府が果たすべき重要な責任のひとつと伝えた」と述べた。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長のスポークスマンはビル爆破を「国際法違反」と厳しく非難した。「事務総長はメディアへの無差別な攻撃は国際法違反であり、絶対に避けなければならないと双方に伝えると言いました」
ホワイトハウスは15日、「バイデン大統領はネタニヤフ首相との電話会談の中でイスラエルの自衛権を引き続き支持し、戦闘の悪化に懸念を表明した」と述べた。また、メディアのビル爆破については、ジャーナリストを保護しなければならないと伝えたという。
バイデン大統領はパレスチナのアッバース大統領との電話会談の中では、「米・パレスチナのパートナーシップを強化する」と約束し、「ハマスのロケット攻撃を止めなければならない」と述べた。
ガザ地区はハマスの支配下に置かれており、ヨルダン川西岸地区に拠点を置くアッバース大統領はロケット攻撃を止める権限を持っていない。しかし、アメリカはハマスをテロ組織と見なしており、交渉を行うことはない。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区(東エルサレム含む)、およびゴラン高原を占領したが、国際社会はこれを認めていない。
聖地エルサレムを奪われた数百万人のパレスチナ人はガザ地区とヨルダン川西岸地区に押し込められ、みじめな生活を送っている。