◎ガザ地区を実効支配するイスラム過激派組織ハマスの報道官は、「イスラエル軍は13歳の少年を含む民間人に発砲した」と述べた。
パレスチナの現地メディアによると、8月21日にイスラエルとガザ地区の国境付近で抗議デモを行ったパレスチナ人少なくとも24人が負傷したという。
ガザ地区を実効支配するイスラム過激派組織ハマスの報道官は、「イスラエル軍は13歳の少年を含む民間人に発砲した」と述べた。保健当局によると、13歳の少年は頭を撃たれており、病院に搬送されたが危険な状態だという。
ハマスが主催した抗議デモには数百人のパレスチナ人が参加し、イスラエルによる国境の封鎖と暴力の増加に抗議した。現地メディアによると、一部の抗議者が国境の壁近くでタイヤを燃やし、イスラエル兵に石や花火と思われる爆発物を投げ始め、まもなく暴動に発展したという。
イスラエル軍は21日の声明で、「国境付近に集まった数百人が爆発物と岩を投げ、国境を乗り越えようとした」と述べた。また、イスラエル国境警備隊の隊員1人が銃撃を受け入院したことも明らかにした。
AP通信によると、壁をよじ登った民間人と思われるパレスチナ人抗議者がイスラエル側に向け発砲したという。
イスラエルとハマスは、2007年の選挙でハマスがガザ地区の支配を確立して以来、4つの戦争と数百の小競り合いを演じてきた。5月に勃発した最新の紛争は11日間続き、双方は関係国の仲介を受け停戦に合意した。
ハマスの高官ハリル・アル・ハヤ氏は抗議者に対し、「イスラエルとの対立はいつ再燃してもおかしくない」と呼びかけた。
ハマスはイスラエル政府に地区の封鎖を緩和するよう求めている。イスラエルは2007年以来、エジプトの支援を受けながらハマスの支配地を封鎖しており、人や物の移動が大幅に制限されている。
2018年から2019年まで続いた国境紛争ではパレスチナ人350人以上が死亡し、その後、エジプト、カタール、国連などの仲介者は非公式の取り決めを仲介し、イスラエルはガザ地区に対する制限の一部を緩和した。これにより、カタールは貧しいガザ地区の住民に毎月数千万ドルを援助できるようになった。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は先日、ガザ地区に対するカタールの援助をブロックし、ハマスに直接現金を提供するシステムを見直さなければならないと述べた。またベネット首相は、2014年の戦争で死亡したイスラエル兵2人の遺体と、生きていると信じられているイスラエルの民間人2人を速やかに返還するようハマスに求め、ガザ地区の再建に必要な建築資材の輸入もブロックした。
ハマスは21日の抗議の中で、「イスラエルはカタールの援助を阻止し、ガザ地区を痛めつけている」と非難した。
ハマスの抗議を予想していたイスラエル政府は19日、パレスチナとの緊張緩和を目的とするガザ地区への援助を訴えたアラブ諸国と合意に達した。この新しい取り決めにより、ガザ地区に送金される資金は国連から住民に直接送金されることになり、イスラエルは受取人のリストを監視できるようになった。支払いは数週間以内に始まる予定と伝えられている。
ガザ地区の保健当局によると、5月のガザ・イスラエル紛争の死亡者は子供67人と女性39人を含む254人にのぼったという。ハマスは戦闘員80人が死亡したことを認めた。イスラエルでは、子供2人を含む民間人12人と兵士1人が死亡した。