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イスラエル軍、レバノンで軍事作戦開始、ヒズボラ拠点を攻撃

イスラエル軍はレバノン東部や南部で、ヒズボラとハマスの軍事インフラとみなす拠点に対する空爆を行う計画を発表し、周辺住民に避難を命じた。
2025年11月28日/レバノン南部のイスラエル国境近く、イスラエル軍の戦車部隊(ロイター通信)

イスラエル軍は1月5日、隣国レバノンでヒズボラやハマスとされる「標的」に対する攻撃を開始した。これに先立ち、イスラエル軍はレバノン東部や南部で、ヒズボラとハマスの軍事インフラとみなす拠点に対する空爆を行う計画を発表し、周辺住民に避難を命じた。避難勧告が出されたのは東部の2地域と南部のイスラエル国境に近い4つの集落である。

イスラエル軍報道官は、これらの攻撃がヒズボラおよびハマスの「軍事インフラ」を標的としていると説明した。具体的な標的としては、テロ組織の戦闘員が使用する施設や武器貯蔵庫などが含まれているという。ただし、イスラエルの発表内容についてヒズボラやハマス側から即時のコメントは出ていない。

今回の攻撃は、2024年に米国仲介によって合意されたヒズボラとの停戦以降も続いてきた緊張が一段と高まっていることを示すものである。停戦合意は1年以上続いた激しい戦闘を終結させるものであったが、その後も双方は相互に停戦違反を非難し合い、衝突や砲撃が断続的に発生してきた。

レバノン政府や軍内部からは、今回のイスラエルによる軍事行動が、ヒズボラの武装解除を加速させるための圧力として位置付けられているとの見方が出ている。米国やイスラエルはこれまでレバノン側に対し、ヒズボラの武装解除を求め、2025年末までに同組織を無力化することを期待する声もあった。しかし、レバノン国内ではこうした動きに対する懸念や反発も根強く、政治的・軍事的な緊張の継続が予想されている。

レバノン国内では、今回の攻撃に対して住民の避難が進む一方で、地域の安全保障環境への不安が高まっている。避難勧告が出された各地では住民が移動を強いられ、国際社会や人権団体からは民間人保護の必要性を訴える声も上がっている。イスラエル軍は攻撃地域周辺において、民間人に対する注意喚起を行うなどしているが、軍事行動に伴う人的被害への懸念は収まっていない。

中東情勢に詳しいアナリストは、今回のイスラエルの動きが、レバノンやシリア国境地帯の不安定化をさらに促進し、地域全体の安全保障環境を悪化させる可能性を指摘する。ヒズボラはイランの支援を受けるシーア派武装組織として長年にわたりイスラエルと対立してきた経緯があり、これまでの停戦合意の履行には多くの困難が伴っている。

イスラエル国内では、政府が国防優先の姿勢を強化する中で、隣国レバノンへの軍事行動を支持する声と、さらなる緊張拡大への懸念を示す声が交錯している。今後もヒズボラとイスラエルの間で武力衝突が続く可能性があり、地域の安定化に向けた国際社会の取り組みが引き続き求められている。

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