◎トルコ政府はイラクとシリアに拠点を置くクルド人武装勢力との紛争に多くの時間と予算を費やしてきた。
イラク北部のクルド当局は7日、スレイマニヤの空港近くで爆発があったと報告した。
トルコ政府は今週、クルド人武装勢力がこの地域の空域を脅かしているとして、スレイマニヤ周辺の領空を封鎖していた。
AP通信によると、爆発は7日の午後4時18分(現地時間)に発生。空港を囲むフェンス付近で爆発が確認され、火災が発生したという。それ以上の詳細は明らかにされていないが、空港建屋は影響を受けず、負傷者もいなかったと伝えられている。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、これまでに数万人が死亡したと考えられている。
トルコ政府はイラクとシリアに拠点を置くクルド人武装勢力との紛争に多くの時間と予算を費やしてきた。イラクのクルド人勢力は一定の自治権を認められている。
一方、イギリスのNGO「シリア人権監視団」は声明で、「爆発はシリアで米国の支援を受ける民兵組織シリア民主軍(SDF)のリーダーに対するトルコ軍のドローン空爆である」と報告した。
しかし、SDFとシリア北東部のクルド当局はスレイマニヤ空港近くにSDFのリーダーがいたという報告を否定している。
SDFの報道官はソーシャルメディアに声明を投稿。「我々の指導者はシリアで仕事を続けている」と述べた。
イラク北部イルビルのクルド人自治区の広報担当はAPの取材に対し、「調査は進行中であり、それがドローン攻撃によるものかどうかは現時点では分からない」と語った。
しかし、クルド人自治区は別の声明で、「爆発はスレイマニヤの地元当局が誘発した」と非難している。それによると、地元当局は違法な活動に関与したという。詳細は不明だ。
イルビルの本部は「イラン・クルド民主党(KDP-Iran)」の支配下にある一方、スレイマニヤには対立するクルド愛国同盟(PUK)の拠点がある。