◎国会は23年会計年度が始まって半年経つ先週、数カ月にわたる交渉の末、予算案を可決した。
イラク陸軍の兵士(Getty Images)

イラクのラシード(Abdul Latif Rashid)大統領が21日、半年遅れで今年度の予算書に署名した。

地元メディアによると、予算規模は過去最高の1520億ドル。そのうち約480億ドルを国債で賄う予定だ。

国会は23年会計年度が始まって半年経つ先週、数カ月にわたる交渉の末、予算案を可決した。

昨年10月に就任したスダニ(Mohammed al-Sudani)首相は速やかな予算成立を目指していたが、クルド人自治区を巡る複数の問題に足を引っ張られた。

交渉の争点は中央政府とクルド人自治区の石油収入の配分であった。

承認された案は石油部門に対する中央政府の権限が強化され、石油収入の12.6%をクルド人自治区に割り当てるとしている。

クルド自治政府は独自の石油販売を許可されるが、中央政府が監視できる銀行口座に収入をまとめる必要がある。

中央政府はその後、クルド政府への割り当て額を確認する。

地元メディアによると、中央政府は法的紛争のため数カ月間停止していたトルコの港を経由するクルドの石油輸出を来週にも日量40万バレル規模で再開する予定だという。

一報、内務省は警察官3万7100人を新規募集すると発表。月給は50万イラク・ディナール(約5万4000円)としている。

国際通貨基金(IMF)は最近の報告書で、石油収入と国債に過度に依存したイラク政府の「バラ色予算」を批判。政府に対し、より厳格な財政政策と歳出削減を求めた。

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