◎この戦闘は首都バグダッドで先月29日に発生したサドル派支持者と治安部隊の衝突と関連しているとみられる。
イラクの治安当局は1日、南部の都市バスラでシーア派武装民兵グループの抗争が発生し、少なくとも4人が死亡したと発表した。
イラク国営テレビによると、戦闘に関与したのはシーア派の有力聖職者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師を支持する民兵と、イランの支援を受ける準軍組織とみられる。
AP通信は治安筋の話を引用し、「サドル派の戦闘員2人と対立民兵2人が死亡した」と報じたが、それ以上の詳細は明らかにされていない。戦闘は8月31日遅くに発生し、1日早朝まで続いたようだ。
この戦闘は首都バグダッドで先月29日に発生したサドル派支持者と治安部隊の衝突と関連しているとみられる。この衝突では治安部隊の兵士を含む少なくとも30人が死亡、400人が以上が負傷した。
騒乱はサドル師の呼びかけで30日に終結した。
サドル派とイランの支援を受ける政党の対立が収束する見通しは立っておらず、さらなる暴動に発展する恐れがある。
両陣営はサドル師の主要な要求である、「議会を解散し早期選挙を実施できる適切な法律を確立する」ことについて意見が分かれている。サドル師の政党は昨年10月の議会選で第一党になったものの、連立政権の発足に失敗し、政治的行き詰まりを招いた。
サドル派が要求している「司法に議会を解散させる」という要求を協議する最高裁審理は来週7日に延期された。否定的な判決が出た場合、サドル派支持者は何かしらの行動を起こす可能性がある。
AP通信によると、バグダッドの緊張は南部のシーア派が大多数を占める地域に移ったように見えるという。サドル派民兵と対立組織は何年も衝突を繰り返し、多数の死傷者を出してきた。
南部バスラの治安当局は1日、戦闘は1日の朝までに沈静化したと述べた。
バスラのサドル派代表を名乗る人物はツイッターに声明を投稿。対立組織を「狂犬」と呼んだ。