◎塩素ガスは目、皮膚、気道に対して腐食性があり、低濃度でも吸引すると肺水腫を起こし、高濃度になると死に至ることがある。
イラク当局は4日、南部ジーカール県の浄水場で塩素ガスが漏洩し、少なくとも300人が負傷したと発表した。
当局によると、事故は同県の都市ナーシリーヤ郊外の浄水場で3日遅くに発生したという。
県知事の報道官は4日の声明で、「塩素ガスを吸引した少なくとも300人が呼吸器に影響を受け、医療機関に搬送された」と述べた。
塩素ガスは目、皮膚、気道に対して腐食性があり、低濃度でも吸引すると肺水腫を起こし、高濃度になると死に至ることがある。
地元メディアによると、ガス漏れの原因は明らかにされていないという。県当局は事故調査委員会を現地に派遣した。
AP通信は警察筋の話を引用し、「当局は業務上過失致死傷罪を視野に捜査を進めている」と報じた。
ジーカール県はイラクで最も貧しい地域のひとつで、インフラの整備不足が深刻な社会問題になっている。
またこの地域は反政府デモの温床となっており、2019年の大規模な抗議デモには数万人の若者が参加した。
ナーシリーヤでは昨年、医療機関の火災で医師や患者など90人以上が死亡している。