◎塩素ガスは目、皮膚、気道に対して腐食性があり、低濃度でも吸引すると肺水腫を起こし、高濃度になると死に至ることがある。
2013年9月9日/イラク、南部ジーカール県(Getty Images)

イラク当局は4日、南部ジーカール県の浄水場で塩素ガスが漏洩し、少なくとも300人が負傷したと発表した。

当局によると、事故は同県の都市ナーシリーヤ郊外の浄水場で3日遅くに発生したという。

県知事の報道官は4日の声明で、「塩素ガスを吸引した少なくとも300人が呼吸器に影響を受け、医療機関に搬送された」と述べた。

塩素ガスは目、皮膚、気道に対して腐食性があり、低濃度でも吸引すると肺水腫を起こし、高濃度になると死に至ることがある。

地元メディアによると、ガス漏れの原因は明らかにされていないという。県当局は事故調査委員会を現地に派遣した。

AP通信は警察筋の話を引用し、「当局は業務上過失致死傷罪を視野に捜査を進めている」と報じた。

ジーカール県はイラクで最も貧しい地域のひとつで、インフラの整備不足が深刻な社会問題になっている。

またこの地域は反政府デモの温床となっており、2019年の大規模な抗議デモには数万人の若者が参加した。

ナーシリーヤでは昨年、医療機関の火災で医師や患者など90人以上が死亡している。

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