◎イラクはイスラエルと国交を結んでおらず、激しく対立している。
イラク議会は26日、イスラエルとの関係正常化を犯罪とし、違反した者に死刑または無期懲役を科す法案を賛成多数で可決した。
この法案は「シオニスト組織との関係正常化および確立を犯罪とする」と題され、国民の支持も得たように見える。
議会は声明で、「この法案は国民の意思を忠実に反映したものである」と述べた。
イラク議会は新大統領の選出を含む複数の問題を抱えているが、この法案はあっという間に成立した。
イラクはイスラエルと国交を結んでおらず、激しく対立している。
国営イラク通信(INA)によると、この法律はすべてのイラク人、政府機関、独立機関、国内で働く外国人や企業にも適用される。
これはシーア派の有力聖職者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師が提案した。
サドル師の政党は米国やイスラエルとの関係正常化に強く反対し、昨年10月の議会選で議席を増やした。
サドル師は法律を「偉大な成果」と呼び、国民に街頭で祝うよう呼びかけた。
アルジャジーラによると、バグダッド中心部に集まった数百人は反イスラエルスローガンを唱え、サドル師に感謝の祈りを捧げたという。
サドル派の議員たちはイランの支援を受ける対立政党が「サドル派はイスラエルと秘密のつながりを持っている」と主張したことに強く反発し、この法案を提出した。
イランは今月初め、クルド人武装勢力が統治するイラク北部にミサイルを12発撃ち込み、「イスラエルの情報基地を破壊した」と主張した。このミサイル攻撃で、石油会社KARグループのCEO宅が破壊された。
KAR社は以前、イスラエルとひそかに契約を結んだと非難されたことがある。
他の湾岸諸国はイスラエルとの関係を正常化している。
UAE(アラブ首長国連邦)やバーレーンなどは核開発を進めるイランがこの地域の安全保障に影響を与える可能性があるとして、米国の仲介のもと、イスラエルと新たな関係を構築した。
米国の同盟国であるサウジアラビアはイスラエルとの国交正常化の条件として、1967年の第三次中東戦争でイスラエルが占領した地域における「パレスチナの独立の追及」などを挙げている。