◎会議にはエジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領、ヨルダンのアブドラ国王、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長、そしてサウジアラビアとイランの代表も参加した。
8月28日、イラクは首都バグダッドで中東地域の緊張緩和を促す珍しい円卓会議を主催した。会議の目的は中東の緊張を和らげることであり、イラク政府はアラブ諸国の仲介者として活動すると強調した。
会議に出席したフランスのエマニュエル・マクロン大統領はイラクの指導力を称賛した。イラクは2003年に勃発した戦争とその後の紛争の影響でひどく荒廃し、アラブ諸国の指導者の大多数はイスラム国(ISIS)を含むスンニ派ジハード組織との戦いに関与することを避けたが、フセイン政権崩壊後の混乱は連合軍の努力である程度収束した。
会議にはエジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領、ヨルダンのアブドラ国王、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長、そしてサウジアラビアとイランの代表も参加した。
カタールの首長がイラクを公式訪問したのは初めて。カタールとサウジアラビアの関係はひどく緊張していたが、アラブ湾岸諸国との共同宣言署名後、関係は改善された。
イランとサウジの関係悪化はイエメンやレバノンを含む地域の情勢に致命的な結果をもたらした。サウジはファイサル王子(外相)、イランも外相を派遣した。
イランはイエメンのフーシ派やレバノンのヒズボラを含むイスラム過激派組織に兵器を提供している。サウジアラビア主導の連合軍はイエメン内戦でフーシ派と戦っているが、血みどろの戦争が終結する見通しは全く立っていない。
イラクのフアド・ハッサン外相は、「会議はバグダッドで始まり、今後も継続されるだろう」と述べたが、具体的にどのような成果が出たのかという質問は却下した。
バグダッドのシンクタンク、イラク政治思考センターを率いる政治アナリストのイサン・アル・シャンマリ氏はAP通信の取材に対し、「このサミットはイラクが地域の中心的プレーヤーとして復帰したことを示しています」と述べた。「ライバルを同じテーブルに座らせることは、和平に向けた重要な一歩です」
一方、2011年11月にアラブ連盟から除外された内戦中のシリアと、2020年8月以来機能不全に陥っているレバノンは会議に出席しなかった。
マクロン大統領は会議を「歴史的」と表現し、2017年に終結したISISとの破滅的な戦争以来、イラクは安定への道を突き進んでいると称賛した。
イラクのバルハム・サリ大統領は共同記者会見の中で、「イラクは数十年にわたる戦争を乗り越え、今日、地域の指導者を迎え入れました」と語った。「世界の戦争の見出しを飾り続けたイラクは主権と繁栄を達成し、今日、世界の指導者を呼び集め、地域の安定を目指す会議を主催しました...」
AP通信によると、イラクは今年初めにイランとサウジアラビアの直接会談を数回仲介し、イエメンとレバノン問題について話し合ったという。
イランが支援するフーシ派はサウジアラビアの石油施設などに対するテロ攻撃を継続している。イエメン国内での戦闘は数年前に比べると落ち着いたと伝えられているが、停戦協定が結ばれたわけではない。
イラクの政府当局者はAP通信の取材に対し、「サウジアラビアとイランの新たな会談を期待している」と述べた。また、今回の会議の目的は、未解決の問題を解決するための雰囲気を作ることと強調した。
イラクのバルハム・サリ大統領は中道政策を推進し、アメリカやイランを含む地域の同盟国との良好な関係を維持し、アラブ世界における指導的役割と地位を取り戻すことを目指している。