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イラクとクルド政府が原油輸出協定3カ月間延長、トルコ経由

今回の延長合意は今年9月に締結された3か月間の暫定的な取り決めに続くもので、長期にわたって停止していた同地域からの原油輸出を維持するための措置となる。
イラク北部、クルド地域政府(KRG)が管理するパイプライン(Getty Images)

イラク政府とクルド地域政府(KRG)はクルド産原油の輸出に関する協定を3か月間延長し、2026年3月31日まで有効とすることで合意した。現地メディアが12月25日に報じた。今回の延長合意は今年9月に締結された3か月間の暫定的な取り決めに続くもので、長期にわたって停止していた同地域からの原油輸出を維持するための措置となる。

ロイター通信はイラク国営石油販売機関(SOMO)の声明を引用し、「中央政府、KRG、そして複数の国際企業が三者協議の末に再延長で合意した」と報じた。この協定は2年半以上に及ぶ輸出停止状態を打開し、クルド地域からトルコ経由での原油輸送を再開するために締結されたものである。

これはトルコとの間のパイプラインを通じて運ばれるクルド地域の原油を国際市場へ供給する枠組みを提供している。輸出は9月27日から再開され、パイプラインの稼働停止が続いていた期間を経て、原油が地中海の港へと送られている。

輸出が途絶していた背景には、2014年以降KRGが独自に原油を輸出していたことに起因するイラク中央政府との法的・政治的な対立がある。2023年3月にはパリの仲裁裁判所が、トルコがクルド地域からの独自輸出を認めたことがイラク中央政府との協定違反であると判断したため、パイプライン経由の輸出が停止していた。

今回延長された協定に基づき、クルド地域からの原油は引き続きSOMOが引き受け、国際市場で販売される仕組みが維持される。これにより、イラク政府とKRGとの間の協力関係が強化されると同時に、同地域の経済安定にも寄与するとみられる。

今回の取り決めはイラク全体としてのエネルギー収入の安定化を図るとともに、中東地域における政治的な不確実性の中で重要な石油輸出ラインを確保することを目的としている。クルド地域の原油輸出は国内外の投資や地域経済にとっても鍵となる収益源であり、中央政府との協調が今後のエネルギー政策の焦点となる可能性がある。

なお、これまでの協定期間中、輸出の再開は原油市場におけるイラクの供給量にプラスの影響を与えてきた。今後も協定が維持されることで、同国の輸出総量や国際的な原油取引に対する予見性が高まるとの見方がある。

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