◎ペゼシュキアン氏は今月5日の決選投票で強硬派のジャリリ氏に勝利。7月28日に就任する予定だ。
イラン、首都テヘラン、演説するペゼシュキアン次期大統領(AP通信)

イランの次期大統領である改革派のペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)氏が12日、「同国政府は国益と平和の前提条件に沿って、すべての国とバランスの取れた関係を構築する」と表明した。

ペゼシュキアン氏は国営テヘラン・タイムズ紙にコメントを寄稿。「米国の圧力には屈しない」と強調した。

またペゼシュキアン氏は選挙運動中に行った約束を守ると誓い、「近隣諸国との関係強化を優先する」と述べた。

ペゼシュキアン氏は今月5日の決選投票で強硬派のジャリリ(Saeed Jalili)氏に勝利。7月28日に就任する予定だ。

イランの大統領は主に外交を担当する。三権の長は最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師であり、反体制派は大統領を最高指導者の「報道官」「傀儡」と呼んでいる。

ペゼシュキアン氏は近隣のアラブ諸国に対し、昨年10月に始まったガザ紛争の永続的な停戦を推進するため、あらゆる外交的手段を行使するよう求めた。

イランは長い間、ガザ地区のイスラム組織ハマスに支援を提供してきた。ペゼシュキアン氏は10日、ハマスの指導者に宛てた声明の中で、同組織を全面的に支持すると表明した。

ペゼシュキアン氏は中国およびロシアとの関係を称賛。「ロシアは大切な同盟国であり、就任次第、協力関係を強化する」と述べた。

イランの経済は米国の制裁で著しく悪化。当時のトランプ政権はイラン核合意から離脱し、イランの外国資産を凍結したうえで、原油、天然ガス、石油化学製品などに対する投資を禁じた。

ペゼシュキアン氏は外交を重視すると表明しているが、国を支配する強硬派がそれを受け入れるかどうかは不明である。

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