◎捜索チームはヘリが不時着したと国営メディアが報じてから10数時間後、ライシ大統領氏やアブドラヒアン外相らの死亡を確認した。
イランのライシ(Ebrahim Raisi、63歳)大統領がヘリコプター墜落事故で死亡したことを受け、第一副大統領のモフベル(Mohammad Mokhber)氏が20日、大統領代行に就任した。
国営イラン通信(IRNA)は最高指導者ハメネイ(Ayatollah Ali Khamenei)師の声明を引用し、「モフベル氏の大統領代行就任を承認した」と伝えている。
IRNAはこう続けている。「モフベル氏は行政府を管理する立場にあり、立法府および司法府の長と50日以内に新大統領を選出するよう調整する義務を負う...」
IRNAによると、大統領選で選出された次期大統領の任期はライシ氏の残りの任期プラス4年となる。
ライシ氏は19日、アゼルバイジャンと国境を接する東アゼルバイジャン州のダム建設現場を視察。アゼルバイジャンのアリエフ(Ilham Aliyev)大統領と会談し、その帰りに事故に遭遇した。
捜索チームはヘリが不時着したとIRNAが報じてから10数時間後、ライシ氏やアブドラヒアン(Hossein Amir-Abdollahian)外相らの死亡を確認した。
ハメネイ師は国を挙げて5日間喪に服すと宣言。ライシ氏ら高官の死を悼み、国民に団結を呼びかけた。
ライシ氏は2021年の大統領選で初当選を果たし、三権の長であるハメネイ師の後継者と目されていた。
ロイター通信はイランの宿敵イスラエルの政府高官の話しとして、「ヘリが墜落したという報道を認識しているが、一切関与していない」と報じた。